みんなで学ぼう!
~琉球沖縄、ブクブク茶の心~
古琉球茶道ぶくぶく茶「あけしのの会」、田中千恵子先生をお訪ねして
琉球ぶくぶく茶道
ぐすーよー、はいさい今日拝なびら。
(みなさん、こんにちは。)
昨日、2010年12月30日(木)、
首里の安岡さんのご紹介で、
浦添の安波茶にあります、
琉球ぶくぶく茶道「あけしのの会」、
田中千恵子家元を、お訪ねする機会を得ました。
謹んで皆様に感謝申し上げます。
また、ブクブク茶と田中先生を知るきっかけとなった、
FM21「Miracle Okinawa」のパーソナリティ、
屋宜朋子さんにも、初めてお会いする事が出来ました。
朋子さまの、お母様もまた、田中先生の、かつての教え子だと初めて知りました。
皆さまとの出逢いに、深くお礼申し上げます。
それでは、簡単ではありますが、報告させて頂きます。
田中先生のお弟子さんの一人、安岡サンに伴われ、
浦添の、田中先生の御自宅に到着。
先ずは御挨拶いたしました。
先生は、とっても笑顔がよくお似合いの、
大変に、魅力的で素適な方でいらっしゃいます。
挨拶に続きまして田中先生から、
先生の元に、遠く東北の秋田と、四国の愛媛から、
ブクブク茶を勉強しに来られているお弟子さん達を、
御紹介いただきました。
ひとえに、ぶくぶく茶の魅力と、先生のお人柄を慕って、
全国から、あけしのの会の門を叩く人は後を絶ちません。
ご挨拶の後、
早速、茶室に通され、おもてなしを受けました。
まず最初に、家元でいらっしゃる田中先生から、
古流球茶道ブクブク茶の歴史を、
続いて、「あけしのの会」の歴史、
そして、
先生が、これまで歩んで来られた道について、
色々と、お伺い出来ました。
琉球・沖縄ならではの、独特のお茶、ぶくぶく茶は、
古く琉球國の時代、明国からの冊封使に、
おもてなしとして点てられたことのある、
歴史と由緒ある、お茶であるというお話でした。
また、長い航海の旅立ちに先立って、
安全を祈願する際や、様々な神事、祝事はじめ、
ブクブク茶が点てられてきたのだそうです。
その一方で、時代とともに、ぶくぶく茶は一般化し、
庶民の間でも、ひろく親しまれるようになり、
琉球や、沖縄の人々にとって、
身近な存在になっていきました。
特に、船旅の出発地である港で、
出発前に先んじて、よく飲まれるようになったとか。
沖縄の方々、そして沖縄を訪れた人にとって、
誰にでも、気軽に楽しめるお茶として、
ぶくぶく茶は、今や身近な存在であるのは、
いまさら、説明するまでもありません。
しかしながら、
ブクブク茶の長い伝統と歴史は、
一時期途絶えてしまったのだそうで、
現代に、甦らせた人こそ、
田中千恵子先生に、ほかなりません。
誠に勝手ながら、
初めてブクブク茶と出会った感想を、
形容させて頂くと、こんな感じでしょうか。
ぶくぶく茶は、
琉球沖縄の温かい心と魂が、
いっぱいに詰まったお茶。
そんな、ぶくぶく茶を、
現代の沖縄に、最も相応しいお茶として、
また風格と品性を兼ね備えたブクブク茶道として、
琉球形式美を長年追究され、そして完成させたのが、
有名な、田中千恵子先生、その人であるわけです。
今回、お手前を頂戴する際もまた、
田中先生はじめ、華やかな琉装に身を包んだ、
あけしのの会の皆さまから、おもてなしを受けました。
私にとりまして、それは、ブクブク茶と一緒に、
いわば伝統的、琉球沖縄固有の文化とその魂を、
最大の、おもてなしの心で頂戴する素晴しい経験でした。
げんに、お茶を頂いていると、時代や時間を超えて、
琉球国の王府の一室で、自分がもてなされている、
そんな錯覚に、とらわれました。
このような素晴らしい体験が出来たのは、
ひとえに、呼んでくださった田中先生、
そして、あけしのの会の皆様のお陰であり、
心から、お礼申し上げます。
以上をもちまして、あまりに簡単、かつ個人的な感想を、
終わらせて、いただきます。
といいますのは、素人の私があれこれ話すよりも、
みなさんご自身で体験されることに勝るものはないと、
考えるためです。
まだ、ぶくぶく茶を試されたことがない方、
久しぶりに、ブクブク茶が飲みたくなった方は、
お時間をつくって、ご家族ご友人お誘い合わせの上、
また、旅の途中で是非とも、
まずは、ぶくぶく茶を体験し、お楽しみ下さい。
琉球ぶくぶく茶道「あけしのの会」はこんなところ(参考)。
http://www.myu1208.com/akesino.html
なお、新年の準備に追われ、
みなさまにおかれましては、なにかと忙しい年の瀬を、
お迎えのことと存じます。
今年は、
本当に沢山の方々に民話ブログを訪れて頂きました。
この場をお借りし、深く感謝申し上げます。
みなさま、良い年をお迎え下さい。
Posted by 横浜のtoshi
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追記・補足研究
横浜のtoshiの、ぶくぶく茶・琉歌について
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航海の安全を祈願する琉球民謡に、
『だんじゅ嘉例吉』があります。
その中に、次のような、ぶくぶく茶にかかわる、
琉歌の一節が、含まれています。
表記は、いろいろと伝わっているので、
それらを参考に、考えてみました。
(旅立ちの日に)
ぶくぶくぬ御茶や
旅ぬ嘉利なむん
たてて廻らしば
むとぅぬ泊
※横浜のtoshiの訳と注と解説~
【訳(解釈)】~
(まさに旅立つその日に先だって)
ぶくぶく茶よ
旅が無事で事故のない良いものとなるように
出発にあたってお茶を回してみんなで飲む時はいつも
この元の泊の港に戻ってこられるように
(福を呼ぶべく泡だっておくれ)
【語解釈】~
【だんじゅ】~本当に、いかにも、の意。
【嘉例吉】~名詞。めでたい事や縁起が良い事。素晴らしい事や、おめでたい事。現在、よく耳にする「かりゆしウェアー」という御祝いごとはじめ正装の服という意も、昔から沖縄でめでたい時に使う「かりー」という「おめでとう」の意も、元々のこれらの言葉から派生したものとみられる。
【嘉利】~動詞など。縁起が良い。めでたい。良きこと多かれ。『だんじゅ嘉例吉』の中の「かり」を「嘉例吉」とするものがあるが、もともとこの部分は、琉歌の短歌形式の音韻で「嘉利」だったと解釈する。「嘉例吉」~めでたい事や縁起がよいこと。「だんじゅ嘉例吉」の嘉例吉と、琉歌の中の嘉利は縁のある語ですが、漢字や品詞が異なる扱いにしてみました。
【なむん】~の(ような)ものよ。
【たてて】~旅立ちの「立つ」と、お茶が「点つ」の意の掛詞と解釈した。
【廻らし】~旅であちこちを「廻る」のと、ぶくぶく茶を「廻し飲み」する意の、掛詞と解釈した。
【戻】~もと、の意。
【泊】~泊の港。
【※琉歌とは】
~八音を中心に、五音・六音・七音を標準とする定型詩。基本的に「サンパチロク」といわれ、八・八・八・六を基本とする。
短歌形式~
○短歌(八八・八六)
○仲風(七五・八六)と(五五・八六)
長歌形式~
○長歌(八八八八の連続音で、末句は六)
○つらね(長歌より長いもの)
○木遣り(八八の連続音で八音の間に囃子が入る)
○口説く(七五の連続音)
【※その他】
『南島八重垣』山内盛熹著〜「ブクブク. ーヂャー」、「泡茶也,昔は盛んに行はれたるよしなれども,今は稀也」という表記があるという。
以上は、
仲善の仲本勝男氏に、個人的意見を聞いて頂き、
アドバスを色々と頂戴した上での私見。感謝。
必ず、転載や引用は、ひと声かけて下さい。
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