琉球沖縄「ぶくぶく茶」琉歌一首(かりゆし)
はいさい、今日拝なびら。
ご訪問、ありがとうございます。
琉球時代のお茶の一つに「ぶくぶく茶」があります。
首里の安岡サンの、
「ぶくぶく茶」のための、金の扇で、
扇の字は、
日展の審査員の書家である母、
爲井蘭学葉の手によるものです。
解説や訳は、私なりに調べてきてまとめたものです。
ただ、本来、母の書のジャンルは、近代詩文で、
もちろん、楷書・行書・草書もかなりの腕ですが、
仮名文字は専門外なので、多少、大目に見て下さい。
また下手ですが、
私が書いた扇も安岡さんの所にあります。
この琉歌は、航海の安全を祈る琉球民謡
「だんじゅ嘉例吉」の中の、琉歌で、
短歌形式(八 八 ・ 八 六 )です。
既に「ぶくぶく茶」という題で、以前、記事を書きましたが、
久しぶりの話題のため、以下は少し新たな解釈と訳です。
琉歌
(旅立ちぬ日に)
ぶくぶくぬ
御茶や
旅ぬ嘉利
なむん
たてゝ廻らしば
戻ぬ泊
読みと訳
(題 旅立ちぬ日)
遠くへ旅立つ日に、と題して
ぶくぶくぬ
ぶくぶくの
御茶や
お茶よ
旅ぬ嘉利なむん
たてゝ廻らしば
戻ぬ泊
めでたい旅立ちとなるよう点っておくれ
旅するみんなで廻して飲めば
世界を廻って
きっとこの泊の港に
必ず戻って来られるように
◇注や解説◇
【だんじゅ】~本当に、いかにも、の意。
【嘉例吉】~名詞。めでたい事や縁起が良い事。素晴らしい事や、おめでたい事。現在でも、よく耳にする「かりゆしウェア」(御祝いごとはじめとする、正装の服という意)も、昔から沖縄でめでたい時に使う動詞「かりー」(「おめでとう/めでたい」の意)も、元々のこれらの言葉から派生した言葉とみられる。
【嘉利】~動詞など。縁起が良い。めでたい。良きこと多かれ。『だんじゅ嘉例吉』の中の「かり」を「嘉例吉」とするものがあるが、もともとこの部分は、琉歌の短歌形式の音韻から「嘉利」だと解釈する。「だんじゅ嘉例吉」の嘉例吉と、琉歌の中の嘉利は派生語で、当てた漢字や品詞が異なると考える。
【なむん】~の(ような)ものよ。
【たてて】~旅立ちの「立つ」と、お茶が「点つ」の意の掛詞と解釈した。
【廻らし】~旅であちこちを「廻る」のと、ぶくぶく茶を「廻し飲み」する意の、掛詞と解釈した。
【戻】~もと、の意。
【泊】~泊の港。
【※ぶくぶく茶】~その歴史は古いものの諸説があり、はっきりとしたところはわかっていない。琉球時代、宮廷の賓客をもてなす際に振る舞われていた。のち、船出をする港などで飲まれるお茶として庶民に広まったという説がある。なお、一度、琉球沖縄における歴史の表舞台から消えたぶくぶく茶だったが、琉球茶道として田中千恵子先生により現代に復活した(「琉球ぶくぶく茶」の記事参照)。
◇琉歌のいろいろ◇
・短歌形式短歌~(八・八・八・六)
※別名「サンパチロクとも」。上句八・八、下句八・六の、三十音の定型。最も一般的形式。
・短歌形式仲風~(七・五・八・六/五・五・八・六)
※二六または二四音の定型。上句~和歌調、下句~琉歌調。
・長歌形式長歌~(八・八・八・八音の連続、末句六音)
・長歌形式つらね~(八・八音の連続、末句六)
※長歌より長い。例~歌劇「泊阿嘉」の「つらね」など。
・長歌形式木遣り~(八・八音の連続)
※八音と八音の間に囃子が入る。
・長歌形式口説~(七・五の連続)
※和文調。例~上り口説、下り口説、高平万歳、四季口説など。
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注【嘉例吉】の解説中の「かりゆしウェア」補足。
~「嘉例吉」や「嘉利」という言葉は古くからある一方で、「かりゆしウェア」の歴史は浅く、その起源は、昭和45(1970)年、社団法人沖縄県観光連盟会長だった宮里定三氏の発案による「沖縄シャツ」を起源とする。その後の平成12(2000)年に名称が「かりゆしウェア」に統一され、同年「九州・沖縄サミット」で各国首脳が「かりゆしウェア」を着用したために知名度が急速に高まった。そもそもアロハシャツの沖縄版が「沖縄シャツ」・「かりゆしウェア」だが、沖縄の県産品かつ沖縄らしさを表現したものを「沖縄シャツ・かりゆしウェア」と呼んで、アロハシャツとは区別する。当初の沖縄シャツは、沖縄らしさを表現したハイビスカスやデイゴの柄や、紅型、琉球絣、久米島紬、芭蕉布といった琉球沖縄の伝統の柄をあしらったデザインが主流だった。
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