いんなよう、かたんなよ~ -琉球沖縄のサツマイモ-
はいさい、今日、拝なびら。
ご訪問、いっぺー、にふぇーでーびる。
今日は、琉球沖縄のサツマイモの雑談を一つ。
おイモの気持ちに、
なってみることに、しよーねぇ~。
仲本勝男氏は、
沖縄に昇る、てぃーだを、
毎日かかさず撮り続ける写真家として、
とても有名な方であるのは、言うまでもない。
※仲本氏のブログ
http://katsuobushi.ti-da.net/
いつしか仲本氏と私はてぃーだを眺めながら、
とめどなくゆんたくする機会が多くなっている。
たましぬぎたんの話題が突然、飛び出たり、
私にとっては、本から学んだ知識に、
仲本氏の生の体験が加わるのだから、
楽しくてたまらない。
二人の会話はお互いに、
これだから尽きることがまったくないのである。
ところで、
もう何年も前のことになるが、
民話の研究をしていて、文中に、
琉球沖縄に昔はたくさんあった、
美味しいサツマイモ、なるものが登場。
個人的に、色々と調べていくうちに、
獣医をされている、
勉強家で博識ある親友の伊良波氏に、
それはシモン芋ではないかと教えて頂いた。
続いて、久米島で、
シモン芋が栽培されていることも知った。
また、ジミーのお菓子の原材料に、
それが使われていると知って食べてみたり、
沖縄そばの材料に使っていると聞き、
そのお店に行ってみたりもした
(残念ながらその商品はもう作っていなかった)。
伊良波氏はその後、シモン芋を探し、
手に入れて、わざわざ送って下さった。
高校染織科で教鞭を執られている喜村氏も、
また同様に探して下さって頂戴した。感謝。
そして私が久米島に行った際、
自分自身でも、その商品を購入したりもした。
ただ、今になって思えば、
まったくもって、灯台もと暗しで、
くるくまで、ふつうに販売していたのだが。
その後は、仕事や民話研究が忙しくて、
すっかり琉球沖縄のサツマイモの事を、
忘れていたのだった。
先日、本部の上地氏が、生まり島の瀬底島を、
私と仲本氏のために、案内して下さった。
沖縄で、最大規模の土帝君(トゥーティンクン/トウテイクン)はじめ、色々と。
※上地氏のブログ
http://susus602000.ti-da.net/
休憩のために立ち寄った「家人寿」で、
首里の、おやつやNicoriの、
天才お菓子職人、眞榮田氏の話題になり、
タンカン・オランジェットの素晴らしさで、
話題がひとしきり盛り上がった。
※家人寿HP
http://ya-nin-jyu.com/
※眞榮田氏のブログ
http://puchan.ti-da.net/
続いて、
都会の有名ホテル・レストランの、
料理長であったオーナーが、
珍しい黒ニンジンで作ったチーズケーキを、
特別に出して下さって、
それから、そのニンジンの話で盛り上がった。
そんな流れの中で、
たまたま私がシモン芋の話をしたところ、
仲本氏、曰く、
「それはきっと、シモン芋ではありませんよ。
恐らく、いんなよう、ですよ。
シモン芋は栄養価は高いけれども、
美味しくありませんから。」と。
青天の霹靂!
な、なんですと! あきさみよぉぉぉぉぉ~
今まで、ずっとシモン芋だと思っていたノニ。
その時、
周囲のすべてのものが、
音を立てて、崩れ去っていったのでした~
ところで、
以前、シモン芋について調べていく際に、
とても面白いと思ったことがある。
内地では、サツマイモの伝来といえば、
江戸時代の青木昆陽、と教科書にあるから、
載っているそのままを、記憶していたりする。
そしてまた「薩摩芋」という名の由来は不明で、
別名として、
甘藷/甘薯、唐芋、琉球藷とだけ伝わる。
ちなみに、本土で、
サツマイモ作りがしだいに広がっていく時代、
琉球國では、全土ですでに、
サツマイモ作りが一般化していた。
なお、現在までの琉球沖縄のサツマイモには、
色々な種類があるらしい。
少し調べた例をあげてみる。
「あっこん」「いも」「いんなよう」「沖縄1号」「沖縄百号」「うきんむ」「おーぜーあんがー」「開拓いも」「狩俣あっこん」「きんぞういも」「くらが一芋」「くちやいも」「さんだーいも」「佐久川いも」「坂下いも」「しょうり百号」「しじゅうにち」「シモン芋」「ぜんいちろういも」「とん」「羽地台湾」「はんす」「ぱぱやんむ」「弁当いも」「又吉いも」「真栄里いも」「松川いも」「むくっしゅ芋」「ややまどん」
これだけでも多過ぎて、
素人の私は正直なところ、目眩すら覚える。
その中の一つである、
「いんなよう」は、
金武では「かたんなよー」とも呼ばれ、
沖縄方言で、
「言うなよ、話すなよ、内緒に」、という意味。
その名の由来、言い伝えは、こうである。
ある農夫が芋を収穫して、洗おうとしたところ、
すべての芋が水の上に浮いた。
それまでの経験で、
水に浮いてしまうような芋は不味い、
そう知っていた農夫は、
それらの芋を、知人に、
馬の餌にでもしてくれと言って、
全部、あげてしまった。
もらった人が、それを食べてみると、
非常に美味しい。
そこでその人は、家族や周囲の者たちに、
芋をくれる人にその芋の事を、
くれぐれも「言ってはならない」と念を押して、
その畑の芋をもらい続けたため、
そこからこの名がついたという。
以上、
沖縄に行きたいばっかりに、
このところ休日まで返上し、
朝から晩まで仕事をし続ける合間、
つい先日の、楽しかった沖縄の旅を、
思い出しながら、さぼって書いてみた、
「ちょっと一息、かなりため息」、
とりとめもない、お話でした。
乱文、失礼致しました。
また、お読み下さった皆様、
ありがとうございました。感謝。
おしまい。
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