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隠された日本の過去最大の鉄道事故

2022年08月15日

Posted by 横浜のトシ at 16:30│Comments(0)その他
(かく)された
「沖縄の軽便鉄道大爆発(だいばくはつ)
事件


ご訪問、ありがとうございます。

一般的には過去に起きた日本で最大の鉄道事故は、1940年(昭和15年)大阪(おおさか)西成(にしなり)線事故で、189人が火災で()くなられたものです。

ところがそれを上回る大事故が、1944年の戦時中の沖縄(おきなわ)で起き、事実は隠された。

事故による爆発があまりに大規模(だいきぼ)であったため、当時、沖縄では事故をその地域周辺のみならず広範囲の者が知る事となった。ところが事故後、それを(はる)かに上回るあの悲惨(ひさん)な沖縄戦が本格化したため、つまり沖縄の地上戦がまさに始まろうとしていた時期のため日本軍が事故を内密にするよう箝口令(かんこうれい)をしいたために、「沖縄県営鉄道輸送爆薬爆発事故」は、いつしか沖縄の人々から忘れ去られてしまう事になる。

なお2020年(令和2年)、NNNがドキュメント「封印~沖縄戦に秘められた鉄道事故~」を作成して放映。その番組を見て初めて知った人、思い出した人もいたという。(※番組はネット検索すれば視聴可能)

ネットに情報もあり、すでにご存じの方もいらっしゃっるとは思うが、過去に沖縄で起きた日本最大の鉄道事故をここで取り上げてみる。

「沖縄県営鉄道輸送爆薬爆発事故」は、1944年(昭和19年)12月11日、沖縄の県営鉄道・糸満線で発生した鉄道事故。南風原村神里集落を通過中だった軽便鉄道が大爆発を起こした事故で、220人以上が死亡。生存者3名。鉄道事故として日本史上最悪の被害を出す。

当時、間近(まじか)(せま)ったアメリカ軍の上陸に備え、日本軍は南部駐屯(ちゅうとん)の第9師団が台湾へ12月中旬に向かうのに(ともな)い、第9師団の担当地の南部に第24師団を移動させるために沖縄県営鉄道を使って兵員輸送が大規模(だいきぼ)に行われていた。

1944年12月11日、兵士と武器(ぶき)弾薬(だんやく)を山ほど積んだ6(りょう)編成(へんせい)の列車は、嘉手納駅を糸満駅に向けて出発。屋根の無い車両には武器弾薬が大量に積まれ、多くの兵士たちはその弾薬の上に腰掛けていた。少数ながら通学の女学生も乗っていた。

途中、古波蔵駅で、燃料補給と方向転換のため、機関車と6両編成の(あいだ)に、ガソリン入りドラム缶を大量に()んだし屋根の無し車両1(りょう)と、屋根付き車両1両を連結(れんけつ)して発車。上り坂のため喜屋武(きゃん)駅を過ぎた(あた)りで貨客(かきゃく)満載(まんさい)していたため蒸気機関車は速度が落ち始め、南風原村神里付近に差し()かかったところで、轟音(ごうおん)をとともに大爆発。積んでいた弾薬が次々と誘爆(ゆうばく)し、さらに周囲のサトウキビ畑に野積(のづ)みされ隠されていた弾薬にも誘爆。周辺一帯が火の海となる。その爆発音は、南部全域から那覇まで聞こえたという。乗っていた兵士210人前後、女学生8人、乗務員3人の合わせて約220人前後が犠牲となった。助かったのは、とっさに貨車から飛び降りその場から離れた女学生2人と乗務員1人だけだという。現場に残された時計の針は4時30分頃を指していた。最後尾の1両は連結が(はず)れ、(すで)に弾薬や兵士が飛び散った後にまだ燃えながら後退して津嘉山(つかざん)駅まで到達。

事故原因は、蒸気機関車のすぐ後ろ1両目に積まれた大量のガソリン入りドラム缶に、機関車から出た火の粉が引火し大爆発を起こしたため。また戦闘用弾薬などが大量に積まていて次々に誘爆したため。加えて、線路(わき)のサトウキビ畑に野積みされていた軍の弾薬(だんやく)まで爆発して、周辺は火の海となる。一部の家屋も延焼したが、付近の村人は壕などに逃げた。なお爆発音は一晩中、聞こえたという。なお汽車には、多くの貴重な医療品なども積み込まれていたが爆散し、付近のガジュマルなどには吹き飛ばされた包帯や肉片などが引っ掛かっていたという。それらは事故後に兵士により回収。戦時中にため日本軍により箝口令(かんこうれい)がしかれて事故の事を口にする事は禁じられた。

日本軍はこの事故により、兵士や医療物資とともに、数百トンという武器弾薬を失うという大被害を(こうむ)った。


以上が、大事故のあらましである。

ちなみに、軍では屋根の無い無蓋車(むがいしゃ)に、ガソリンや弾薬を積載することを禁じていたにも関わらず、その危険性は顧みられることなくこの大事故は起きた。

最後に、
沖縄戦、並びに、この事故、
そして過去の鉄道事故で亡くなられた方々に、
謹んで心からご冥福をお祈りし、
記事を終わりたいと思う。

では。

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