てぃーだブログ › 琉球沖縄を学びながら、いろいろ考えていきたいな~ › 琉球沖縄の、もののけ › 新、キジムナーが、てんこもり? あきさみよ~

みんなで楽しもう!
~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~

キジムナーが、てんこもり?
本当にキジムナー?
フィーフィーガマを知ろう!



 沖縄本島(おきなわほんとう)中南部(ちゅうなんぶ)で「キジムナー」と()ばれていた妖怪(ようかい)は、古く琉球時代の大昔から、沖縄諸島(おきなわしょとう)の、かなり(ひろ)地域(ちいき)伝承(でんしょう)されてきた琉球独自の妖怪(ようかい)の、あるグループ(系統(けいとう))と個人的(こじんてき)には(かんが)えています。

 ところで、かつては、地域(ちいき)色々(いろいろ)()(かた)をされていたのに、昨今(さっこん)では「キジムナー」という()(かた)ばかりに傾倒(けいとう)する風潮(ふうちょう)(たい)して、どうもいらだちを(きん)()ません。そもそも多様(たよう)()(かた)地域(ちいき)から消失(しょうしつ)するのは勿体(もったい)ない(うえ)()えてしまう妖怪(ようかい)がいるようで可哀想(かわいそう)(おも)えてならないからです。

 せめて、沖縄(おきなわ)大人(おとな)たちは、「キジムナーは私たちが生まれ育ったこの地域(ちいき)では『○○』っていう名前(なまえ)だったんだよ」と、是非(ぜひ)とも(つた)えていって()しいという(ねが)いを()めて、この記事(きじ)()いています。

 そこで、(すべ)てを調(しら)()すところ(まで)はいってないものの、参考(さんこう)までにこれまで調(しら)べた以下(いか)提示(ていじ)しておきますので、これをきっかけに、是非(ぜひ)とも、()まれ(そだ)った地域(ちいき)や、馴染深(なじみぶか)地域(ちいき)の「キジムナー」の()()以下(いか)から(さが)して(いただ)き、(のこ)していって()しいと(かんが)えます。そこで()記事(きじ)「琉球沖縄の、もののけ、大集合!」から、()ずはキジムナーの部分(ぶぶん)をピックアップしてみます。

【キジムナーの地域別の呼び名】


沖縄本島(おきなわほんとう)の、中部(ちゅうぶ)南部(なんぶ)島尻(しまじり)中頭(なかがみ)キジムナー
伊平屋島(いへやじま)アカカナジャー
野甫島(のほじま)フィーフィー
伊是名島(いぜなじま)の、伊是名(いぜな)勢理客(せりきゃく)アカブサー
伊是名島(いぜなじま)の、内花(うちはな)ウンサーガナシ
沖縄本島北部(おきなわほんとうほくぶ)の、国頭村(くにがみそん)大宜味村(おおぎみそん)羽地村(はねじそん)東村(ひがしそん)ブナガー、ブナガイ、ブナガヤ、ブナガヤー、プルパカヤー
沖縄本島北部(おきなわほんとうほくぶ)の、名護(なご)カムローグワー、シノーラー、スノールキジムン、ボージマヤー、ヤンバサカー
沖縄本島北部(おきなわほんとうほくぶ)の、汀間(ていま)ティヤーチャー
沖縄本島北部(おきなわほんとうほくぶ)の、本部町(もとぶちょう)今帰仁村(なきじんそん)伊江島(いえじま)カムラグヮー、カムローグワー、シェーマ、セーマ
沖縄本島北部(おきなわほんとうほくぶ)の、伊豆味(いずみ)健堅(けんけん)セーマ
沖縄本島中部(おきなわほんとうちゅうぶ)の、金武町(きんちょう)ガヤプヤー
沖縄本島中部(おきなわほんとうちゅうぶ)の、勝連半島(かつれんはんとう)とその周辺(しゅうへん)離島(りとう)イッチョイグワー、ウンサグワー、ケンケンズーマー、ケンケンジムナー、フカゾークークー、ヤチバー
沖縄本島中部(おきなわほんとうちゅうぶ)の、中城村(なかぐすくそん)カーガリモー
沖縄本島南部(おきなわほんとうなんぶ)の、糸満(いとまん)ギジムナー
沖縄本島(おきなわほんとう)(旧島尻(しまじり))の、仲里(なかざと)キムナー
沖縄本島南部(おきなわほんとうなんぶ)の、南風原町(はえばるちょう)玉城村(たまぐすくそん)マージャ
久米島(くめじま)カーカプロー、キムナー、マア
宮古列島(みやこれっとう)インガマヤラウ、ズムヌ
八重山列島(やえやまれっとう)カムラーマ、キディムヌ・マディムヌ、マア、マージヤッピー、マンジー、マンジャー、マンダー


 なお沖縄本島各地(おきなわほんとうかくち)では、原因不明(げんいんふめい)怪火(かいび)を「キジムナー()」と()んだようですが、奄美のケンムン(るい)同様に除外(じょがい)してあります。

 そもそも(うえ)()げたキジムナーの(たぐ)いの特徴(とくちょう)は、樹木(じゅもく)(とく)に、ガジュマル、アコウ、フクギ、センダンなどの古木(こぼく)()場合(ばあい)(おお)いものの、(たと)えば伊平屋島(いへやじま)伊江島(いえじま)大宜味村(おおぎみそん)では洞窟(どうくつ)()んでいたりします。
 ただし「単数(たんすう)」なのが一般的(いっぱんてき)で、(おお)くても久高島(くだかじま)のように2(ひき)です。

 そんな(なか)で、(もっと)()きつけられた事実(じじつ)野甫島(のほじま)隣接(りんせつ)するジューマ(小島)の「フィーフィーガマ」の存在(そんざい)です。というのもそこだけは、かつて沢山(たくさん)のフィーフィーが一族(いちぞく)()んでいた、という()(つた)えがあるからです。

 「フィーフィーガマ」には、フィーフィーが、とってもたくさん()んでいたって?
 つまり、てんこもり・・・・・・

 気付(きづ)いた(とき)(おも)わず「あきさみよ」と口走(くちばし)り、自分(しぶん)()ぐマブイグミしたほどです。たましぬぎたん!
 そこで()調査(ちょうさ)()ったものの、()つけるまで、大変(たいへん)(おも)いをしました。

 なお、そのフィーフィーが、やがて沖縄本島(おきなわほんとう)奥武山(おおのやま)公園(こうえん)(ただし当時(とうじ)(しま)でしたが移住(いじゅう)して来て、そこから周囲(しゅうい)へとどうも(ひろ)がり、やがて琉球全土にまで広がったと個人的には考えています。もちろん私の研究はまだまだこれから続きますが。

 おしまい。めでたし、めでたし。




 なお余談(よだん)ですが、この旅で、伊平屋島周辺(いへやじましゅうへん)(だれ)ひとりいない海岸(かいがん)で、ひとりぼっちで(うみ)(なが)めていると、突如(とつじょ)(うみ)から一匹のエイが空中(くうちゅう)(おど)()るなり、海面(かいめん)すれすれに滑空(かっくう)()()し、(ひと)りで(あそ)んでおりました。だからあんな(かたち)をしているんだなと納得(なっとく)したのですが、エイは(そら)()ばないと、(だれ)(わたくし)(はなし)(しん)じてくれません。大神島(おおがみじま)で、ヤシガニの(あか)ちゃんが(おこ)り出して()きわめいた(はなし)(とも)に。

 UFOも幽霊(ゆうれい)()えない(わたし)ですが、どうも沖縄(おきなわ)ではセジ(霊力)(つよ)くなるようです。



※参考~「『伊平屋村民話集』(伊平屋村教育委員会)
Ⅰ 伊平屋の伝説・八 アカカナジャー」

野甫 儀間カメ(大正八年一一月二七日生)
 昔はアカカナジャーをフィーフィーと言ったって。この北側の島に、フィーフィーガマと言って、そんなに大きくはないガマがありますが、そこにフィーフィーがたくさん住んでいたと言うですが、このフィーフィーというのは見たことありません。
 フィーフィーは、海の方で火玉を飛ばしたり、海から歩くの早いってよう。フィーフィーは蛸を怖がるってよ。なんか夜の海だったはずね、このフィーフィーが漁師の所に寄ってきて、この人が何捕ったのかね、とざるをさわろうとしたから、漁師が蛸をフィフィーにぶつけたら、あっという間にフィーフィーはこの人のお家に行って、子供の目玉を取って無くしたって話。またフィーフィーにある人が夜畑に連れて行かれて、フィーフィーに、おならプー、プーしたら、
 「お前には土を食わせてやる。」
と土を食べさせよったって話だが。
 フィーフィーと仲良くなったのは、伊是名の人で、大体物分かりのいい人だね。フィーフィーは屁は嫌いって、また、魚の左の目玉食べたりやるって。そんな言いよったって話しは聞いたけれど。なんか、山原の昔の話に、ひとりっ子が、台風が止んだ後で海に出たら、このフィーフィーに連れられて行って、毎日、海に行ったって。それで、この家の庭にギンジーという大きな木があって、この木が穴あいていて、フィーフィーはこの穴の中に住まいしていたって。そしたら、この家のお爺さんが、この木倒したから、フィーフィーはもう住まいするところなくて奥武山に行くから、向こうにおいでっていったという話し聞いたことあります。それで、フィーフィーはよう、奥武山に住んだって。
野甫 玉城シズ(昭和二年一二月一日生)
 フィーフィーは、赤ちゃんよりちょっと小さいかなっていうぐらいの大きさだって。それと一緒にいざりに行ったらよう、一緒に行った人に手柄たくさん取らすけど、フィーフィーは、おならだけ怖かったみたい。何かおなら出したらね、すぐ海の真ん中でもおんぶしている人を落としよったって。落としてからよう、その人のお家に来て、家の人の目を抜きよったってよう。だからね、片目の変な人はね、フィーフィーに何かされよったって言っていたよ。
 また、昔は誰でもその漁師の家族者をよう、夜なんかさ、連れていってよう、畑行って、御飯といって騙して、粘土よう、みんな食べさせよったってよう。(平成九年八月二〇日聴取)


Posted by 横浜のtoshi




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笑い猫さん、こんにちは。

実はボクも何をかくそう、キジムナーの一種です。うそうそ。

むかし、木から落ちて救急車で運ばれたって?
天女になる試練は、大変だったんだなあ~。

天使を見たと思ったのは錯覚です。
きっと、水たまりか何かに映った自分を見ただけです。

それにしても、笑い猫天使は、
今や、自らハニンス(羽衣)作りの達人。エライ!
世界最強のトビンス(飛衣)、作って下さいねぇ~!

キジムナーは「古木の精」です。
おもに、ガジュマル、アコウ、フクギ、センダンの木に棲むことが、よく知られています。
その一方で、洞窟に棲んでいるのもいます。

そして琉球沖縄の人々の、心の中でも、生きてきました。
では。
Posted by 横浜のtoshi at 2011年10月02日 07:13


こんなに沢山の呼び名があったんですか~!

キジムナーってガジュマルだけのイメージでしたが、正確には古木なんですよね~(^0^)/

昔、木から落ちて救急車で運ばれたときに、キジムナーではなく天使を見ましたが、誰にも信じてもらえず、かえってバカにされてる笑い猫デス
Posted by 笑い猫 at 2011年10月01日 13:51


骨格調整ビーイング、こんにちは。

読谷のご出身でしたか。
キジムナーの話や名にしても、民話にしても、
もったいないし、先祖からの話なので、
一つでも、後世に、伝えたいものです。
コメントありがとうございます。
Posted by 横浜のtoshi at 2011年09月30日 07:56


sweetskozasanに、褒められると、デージ嬉しいです。
書いた甲斐がありました。

前に、奄美と沖縄の妖怪を紹介した時に、キジムナーを調べたものに、
フィーフィーを、足しただけなんです。

いっぺー、にふぇーでびるm(_ _)m
Posted by 横浜のtoshi at 2011年09月30日 07:53


僕は読谷出身なので呼び名はキジムナーオンリーだと思ってました。
こんなにたくさんの呼び名があったんですね。
キジムナーのいる社会をしっかりと後世に伝えたいですね。
Posted by 骨格調整ビーイング骨格調整ビーイング at 2011年09月29日 11:45


きっとキジムナー自身もこんなに、
呼び名があるとは恐らく知らないはずです。
トシさん、さすがです(^^)
Posted by sweetskozasweetskoza at 2011年09月28日 17:51


まぁたん@から見ると、僕は妖怪?(笑)

妖怪は、神が凋落(ちょうらく)した、つまり、おちこぼれの神です。
おちこぼれというところが、ぼくにそっくりだなあ(笑)。

確かに、「まんが沖縄昔ばなし」あるといいなぁ。

「まんが日本昔ばなし」では、
「みみずの涙」が、沖縄県の昔ばなしの中でも、有名どころです。
奥武山公園あたりをイメージするといいです。

その他、沖縄県のものを調べてみたところ、
DVDに入っていないものも、あるかもしれませんが、検索出来ました。

「無人島に流された男」
「千鳥の歌」
「金のうり」
「天下一の花嫁」
「みみずの涙」
「二十三夜さま」
「カサカサとコラマタ」
「すずめ酒屋」
「子を呼ぶフア鳥」
「天の神と竜宮の神」
「スズメとツバメ」
「ねずみの嫁さん」

以上、横浜のyoukaiでした~
Posted by 横浜のtoshi at 2011年09月28日 05:25


スーさんへ。

せっかく、色々な呼び方があって、
一つひとつが微妙に違うのに、
キジムナー1つになってしまうなんて、勿体ないです。

そのうちに。
Posted by 横浜のtoshi at 2011年09月28日 05:07


toshiさんのお話も「まんがむかしばなし」でみたいですよ!
まぁたん@は‘ようかい’って呼んでいますよ(笑)
Posted by まぁたん@まぁたん@ at 2011年09月27日 19:17


こんにちは♪
私はキジムナーっていう呼び名が、親しみがありますね。
方言、沖縄って本当にてんこ盛りですよね?

今、新幹線の中です。
いつも素通りで、スミマセン(((^_^;)

横浜線の鴨居駅下車のご婦人と、イチャリバチョーデェでしたよ。
Posted by スーさん at 2011年09月27日 17:46


コメント以外の目的が急増し、承認後、受け付ける設定に変更致しました。今しばらくお待ち下さい。

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