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~琉球沖縄に伝わる民話~

新訳球陽外卷(きゅうようがいかん)遺老(いろうせつでん)』第46話

落星窊(らくせいわ)




 国頭(くにがみ・)(ぐん・)辺土(へど・)(そん)(きた)は、()宇座原(うざばる)()()います。
 非常(ひじょう)(とお)(むかし)の、ある(よる)のこと、(ほし)がここに()ちて、そして(くぼ)んだ(あな)をあけました。
 (あな)(かたち)は、楕円(だえん)で、(ふか)さは二メートル(はん)前後(ぜんご)で、(なが)さは二十メートル(じゃく)(ひろ)さは(やく)十メートル四方(しほう)であるそうな。
 (いま)のこの()(ひと)は、落星窊(らくせいわ)()びます。



 
※注や解説

国頭(くにがみ/くんじゃん・)(ぐん)】~「国頭(くにがみ)」の以前(いぜん)発音(はつおん)は「くんじゃん」など。沖縄(おきなわ)本島(ほんとう)最北端(さいほくたん)地域(ちいき)
辺土(へど/ふぃどぅ)(そん)】~「辺土(へど)」の以前(いぜん)発音(はつおん)は「ふぃどぅ」など。国頭(くにがみ/くんじゃん・)(ぐん・)国頭(くにがみ/くんじゃん・)間切(まぎり・)辺土(へど/ふぃどぅ・)(そん)。「邑」は「村」に(おな)じ。
宇座原(うざばる)】~「ウザバル」。(ハル)()宇座原地(うざばるぢい)
太古(たいこ)】~非常(ひじょう)(とお)(むかし)大昔(おおむかし)有史(ゆうし)以前(いぜん)
一夜(ひとよ/いちや)】~一晩(ひとばん)一夜(いちや)。ある(よる)。ある(ばん)一晩中(ひとばんじゅう)()もすがら。終夜(しゅうや)
(もっ)て】~漢文(かんぶん)における「以」や「式」の訓読(くんどく)から(しょう)じた()。そして。(それ)によって。(それ)について。(それ)をもちいて。(おお)く「…をもって」の(かたち)格助詞(かくじょし)のように使用(しよう)して)・・・・・・て。・・・・・・で。・・・・・・でもって。・・・・・・によって。・・・・・・の理由(りゆう)で。・・・・・・により。・・・・・・に。・・・・・・の(うえ)に。・・・・・・に(くわ)えて。・・・・・・の(うえ)に。・・・・・・かつ。・・・・・・しながら。
窊坎(わかん)】~(くぼ)んだ(あな)
(つく)る】~「(つく)る」、「(つく)る」に(おな)じ。
坎形(かんけい)】~(あな)(かたち)
長円(ちょうえん)】~「楕円(だえん)」に(おな)じ。かつては半径(はんけい)(ひと)しい二つの(えん)共通(きょうつう)外接線(がいせつせん)(つな)いだ(かたち)(たと)えば陸上(りくじょう)競技(きょうぎ)のトラックの(かたち)
(しゃく)】~尺貫法(しゃっかんほう)における(なが)さの単位(たんい)(ひがし)アジアで(ひろ)使用(しよう)される。曲尺(かねじゃく)では(やく)三十.三センチ、鯨尺(くじらじゃく)では(やく)三十七.九センチ。その(ほか)意味(いみ)に、(なが)さ、(たけ)物差(ものさ)し、さし(など)がある。
七尺(ななしゃく)】~曲尺(かねじゃく)では(やく)二メートル十二センチ、鯨尺(くじらじゃく)では(やく)二メートル六十五センチ。
(けん)】~尺貫法(しゃっかんほう)における(なが)さの単位(たんい)場合(ばあい)一間(いっけん)通常(つうじょう)六尺(ろくしゃく)(やく)一.八二メートル)(ただ)し、田畑(たはた)土地(とち)(はか)場合(ばあい)六尺(ろくしゃく)五寸(ごすん)(やく)一.九七メートル)
十間(じゅっけん)】~一九.七メートル。
五間(ごけん)】~九.八五メートル。
今世(こんせい/こんせ/こんぜ)】~(いま)時代(じだい)(いま)のこの()。この()現世(げんせ)現代(げんだい)。あくまでこの(ぶん)()かれた琉球時代(じだい)における「今世」。
落星窊(らくせいわ)】~「窊」の音読(おんよ)みは「ワ、エ、ユ」。
【原文】~國頭郡邊戸邑之北名曰宇座原地太古之世一夜星落于此以爲空窊坎坎形長圓而深七尺長十閒廣五閒今世之人呼曰落星窊


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※補足~何度(なんど)宇座原(うざばる)、あるいは宇座原地(うざばるち)(さが)して(まわ)ったのですが、まだ()つけていません。また、安須森(あすむい)(のぼ)って(さが)しながら、あの(へん)かなどと想像(そうぞう)()(めぐ)らせてみたものの、(いま)だに(わたくし)にはよく場所(ばしょ)()かっておりません。




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仲本さん、はいさい、今日、拝なびら。

本当に探しに行きます?
私、結構、すでに探したんです。
しかも、安須森に命がけで登ったのには、
スウィーツコザの八重ちゃんが見たという「正」の字の発見の真偽もさることながら、
仏様が寝ている様に見える聖地・安須森そのものに登りたかったのと、
この話や、他の隕石が落ちた場所が、見つけられないかと、思っての事で、
結局、駄目でした。

でも仲本さんと行けば、ひょっとすると、見つかるかも。

先に、沖縄県立図書館かどこかで、
「宇座原地」という地名の位置を探してからでないと、無理かも知れませ~ん。

ちなみに、この話は、二度目の投稿になりますが、
相変わらず、あまり話が知られていないようで、
ネット検索しても、殆ど出てきません。
では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2013年03月03日 20:51


為井俊雄さんまたの名は横浜のtoshiさん!
仕事が出来ました。ワクワクします。お供いたします。ウニゲーサビラ
 トントンテン 愉しみです。
ユタシク・・・・・・
Posted by 仲本勝男仲本勝男 at 2013年02月27日 16:30


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