かぎやで風節について

2014年07月29日

Posted by 横浜のトシ(爲井) at 08:20│Comments(0)伝説・歴史・雑学・言い伝え等
琉球舞踊(りゅうきゅうぶよう)

かぎやで(かじゃでぃ)風節(ふうぶし)御前風(ぐしんふう)



知人である、長嶺真理 (男形)さんたちの、
かぎやで(かじゃでぃ)風節(ふうぶし)阿波連(あはれん)本流(ほんりゅう)啓扇会(けいせんかい)舞台(ぶたい)を、
()ずはご覧下(らんくだ)さい。





【個人的な解説】
その(むかし)宮廷舞踊(きゅうていぶよう)として発達(はったつ)し、国王(こくおう)御前(ごぜん)や、冊封使(さっぽうし/さくほうし)歓待(かんたい)する(さい)()われ、演奏(えんそう)された「御前風(ぐしんふう)」と()ばれる楽曲(がっきょく)(なか)の一つが、「かぎやで(かじゃでぃ)風節(ふうぶし)(「かじぇでふうぶし」とも)」

御前風(ぐしんふう)」は、
かぎやで(かじゃでぃ)風節(ふうぶし)
恩納(うんな)
長伊平屋(ながいひや)
中城(なかぐしく)はんた()
こてい節」の、五つ構成(こうせい)

かぎやで(かじゃでぃ)風節(ふうぶし)」は、元々(もともと)御冠船踊(うかんしんうどぅい)(なか)の、老人踊(ろうじんおどり)という分野(ぶんや)舞踊曲(ぶようきょく)だったとされ(「老人祝聖事(ろうじんしゅくせいのこと)」や「老人老女」という演目名(えんもくめい)元来(がんらい)老人姿(ろうじんすがた)長寿(ちょうじゅ)寿(ことほ)(「言祝(ことほ)ぎ」とも)()うものだったという。
現在(げんざい)沖縄(おきなわ)でも代表的(だいひょうてき)な、祝宴(しゅくえん)では()かせない(きょく)であり、「かぎやで(かじゃでぃ)風節(ふうぶし)御前風(ぐしんふう)」は座開(ざびら)きでもよく()われる。
※「老人踊」〜老人踊(ろうじんおど)りとは、古典琉球舞踊(こてんりゅうきゅうぶよう)の一つで、(もっと)祝儀的(しゅくぎてき)要素(ようそ)(たか)(おど)りで、(おきな)一人での()いをいう。国家(こっか)安泰(あんたい)延命(えんめい)長寿(ちょうじゅ)思想(しそう)(つよ)いとされる。

また、「かぎやで(かじゃでぃ)風節(ふうぶし)御前風(ぐしんふう)」は、忠臣(ちゅうしん)大新城(うふあらぐすく)が、尚元王(しょうげんおう)(第2尚氏(しょうし)王統(おうとう)・第5代国王(こくおう)、1528-1572年<在位(ざいい)1556-1572年>)在位(ざいい)(よろこ)びを(うた)ったものだとも()われる。琉球芝居(りゅうきゅうしばい)大新城誠忠伝(うふあらぐすくせいちゅうでん)』の「チーグー()(おう)」は、尚元王(しょうげんおう)のことされる。
(※尚元王(しょうげんおう)第二(だいに)王子(おうじ)だが正妃(せいひ)()側室(そくしつ)()第一(だいいち)王子(おうじ)だった尚禎(しょうてい)最初(さいしょ)世子(せいし)だったが()くなり、尚元王(しょうげんおう)(おう)となった。尚元王(しょうげんおう)は、かつて「金千代兼(かねちよがね)(金)」といい、病弱(びょうじゃく)だったが、養父役(ようふやく)三司官(さんしかん)のひとり宮平大屋子森(みやひらおおやこもい)長寿(ちょうじゅ)(ねが)って、七(さい)(とき)に、(つる)千年(せんねん)(あやか)って「鶴千代兼(つるちよがね)」と(あらた)めた。尚元王(しょうげんおう)(おさな)(ころ)病弱(びょうじゃく)だったのが、芝居(しばい)では(おし)、つまりチーグーになっている。)
(※『中山世譜(ちゅうざんせいふ)』の「附」などにある(『球陽(きゅうよう)』などにはない)、尚元王(しょうげんおう)(おう)になる(さい)の、三司官(さんしかん)()()跡目争(あとめあらそ)については、(つた)わるほどではなかったと(かんが)える。理由(りゆう)は、毛龍吟(もうりゅうぎん)新城親方安基(あらぐすくおやかたあんき))・和為美(わいみ)国頭親方景明(くにがみおやかたけいめい))・葛可昌(かつかしょう)城間親方秀信(ぐすくまおやかたしゅうしん。「葛」は「ム」でなく「ヒ」))たちの系譜関係(けいふかんけい)から。)



【 「かぎやで(かじゃでぃ)風節(ふうぶし)」の歌詞
今日(けふ)(ふく)らしや  (なう)にじゃな(たてぃ)

(ちぶ)でぃ()(はな)ぬ (ちゆ)ちゃたぐとぅ


【個人的な
今日の(ほこ)りたい喜びを、
いったい何にたとえる事ができましょうか。

まるで(つぼみ)でいた花が、
朝露(あさつゆ)を受けてぱっと花開くような心もちです。



(※その他・参考)
琉歌『御前風』「かぎやで風節」
~尚豊王の養父、具志川王子朝盈(ちょうえい)

石なごの石の大瀬(うふし)なるまでも
おかけぼさへめしやうれ我御主(わうしゅ)がなし

「小石が大きな岩になるまで永遠に世をお治め下さい」の意。
石なごは、粉石、小石、お手玉に使う小石。大瀬は、大岩。おかけぼさへめしやうれは、永く世を治めたまえ。



(※その他・参考2)
「めでたい節」(1番歌詞、かぎやで風。2番歌詞は「安波節」)
今日ぬ誇らしゃや なうにじゃなたてぃる
蕾でぃ居る花の さんさ 露ちゃたぐとぅ(囃子)
嘉例吉の遊び 打ちはりてぃからや
夜の明けてぃ 太陽の さんさ 上がるまでぃん(囃子)
豊かなる御世ぬ しるしあらわりてぃ
雨露の恵み さんさ 時ん違ん(囃子)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~marebito/mroom/sansin/san12.html

「めでたい節」
今日のほこらしゃやなをにぎやなたてる つぃぼでをる花の露きゃたごと
心うちあわち 願た事かなて 互にうちはれて遊ぶ嬉さ

千年経る松の緑葉の下に亀が歌しりば鶴や舞方
御万人や揃て踊り跳ね遊で 獅子や毬連れて踊り遊ぶ
豊かなる御世や御万人のまぎり 能羽しち 遊ぶ事の嬉しさ
石なごの石の大瀬なる迄ん うかきぶせみしょり拝でぃしでぃら
御門見りば美らしゃ内入りば香ばしゃ だんじゅ福徳ぬ御宿みせる
我したまでぃ今日や誇しゃどあゆる 踊てたち戻ら誇て戻ら


「めでたい節」
今日ぬ誇らしゃや 何にぢゃなたてぃる
ちぶでぃ居る花ぬ さんさ露ちゃたぐとぅ(囃子)
鶴亀とぅ松とぅ 竹ぬ葉とぅともに
百々といつ迄ん さんさむてぃ栄い(囃子)
庭に梅咲かち 床に伽羅飾てぃ
福禄寿飾てぃ さんさ百々とぅ迄ん(囃子)
松ぬ上ぬ鶴が 姿ふりすりば
さんさ潮花ふちゅさ(囃子)
千歳経る松ぬ 緑葉ぬ下に
亀が歌すりば さんさ鶴や舞方(囃子)
白髪御年寄や 床ぬ前ぬ御座に
産子歌しみてぃ さんさ孫舞方(囃子)
かりゆしぬ遊び うち晴りてぃからや
夜ぬ明きてぃからや 夜ぬ明きてぃ太陽ぬ
さんさ昇る迄ん(囃子)
http://www.kget.jp/lyric/69060/%E3%82%81%E3%81%A7%E3%81%9F%E3%81%84%E7%AF%80_%E6%B2%96%E7%B8%84%E6%9B%B2

「かぎやで風節」
石なごの石の大瀬なるまでも おかけぼさへ めしゃうれ 我御主がなし
あらたまの年に 炭と昆布かざて こころからすがた若くなゆさ
http://taru.ti-da.net/e1920396.html

「めでたい節」~
今日のほこらしゃやなをにぎやなたてる つぃぼでをる花の露きゃたごと
きゆぬふくらしゃや なうにじゃなたてぃる ちぶでぃうるはなぬ ちゆちゃたぐとぅ
心うちあわち 願た事かなて 互にうちはれて遊ぶ嬉さ
千年経る松の緑葉の下に亀が歌しりば鶴や舞方
御万人や揃て踊り跳ね遊で 獅子や毬連れて踊り遊ぶ
豊かなる御世や御万人のまぎり 能羽しち 遊ぶ事の嬉しさ
石なごの石の大瀬なる迄ん うかきぶせみしょり拝でぃしでぃら
御門見りば美らしゃ内入りば香ばしゃ だんじゅ福徳ぬ御宿みせる
我したまでぃ今日や誇しゃどあゆる 踊てたち戻ら誇て戻ら
http://taru.ti-da.net/e2268983.html


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