島建国建 ~琉球沖縄の伝説
みんなで楽しもう!
~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~
奄美・沖縄本島・沖縄先島の伝説より、第18話。
島建国建
むかしむかしのお話です。
島コーダ国コーダが、島を造りましたが、島の地面の土が、柔らかくてぐらついて揺れ、ここを踏むとあちらが上がり、あちらを踏めばこちらが上がるといった具合なので、仕方なく、神さまに相談しました。
神さまは、あなた程の方でも、その方法を知りませんでしたかと言いながら、東の岸に黒石を置いて、西の岸に白石を置くようにすればよいのだと教えてくださいました。
さて、国は建設できたものの、島コーダ国コーダは、人間を造ることが出来ませんでした。
そこで又、神さまに相談しました。
すると神さまは、土仏さまを造って息を吹き込むと人間が出来ますよと、教えてくださいました。
早速その通りにしてみると、おとなの人間は造れましたが、子どもが出来ません。如何なる方法なら子どもが造れるのか、又、神さまに相談しました。
すると神さまは、男の家を風上に造って、女の家を風下に造りなさいと、教えてくれました。
その通りに家を造ってみたところ、風上の男の息が、風下の女に息にかかって、子どもが出来るようになったのでした。
さて、子どもが出来るようになると、次に、人間が食べる物をどうすればよいのか、又、神さまに相談しました。
神さまは、龍宮へ行って、食物の種を貰って来て人間に作らせるのだと、教えてくださいました。
そこで、島コーダ国コーダは、神さまの教えに従って龍宮に行きました。そして、龍宮の神さまの大主に、食物の種を下さいとお願いしました。
すると大主から、先に初穂祭をしなさいと言われました。それをしてからでないと、食物の種はあげられないけれども、それをすればきっと希望を叶えて差し上げようと言われました。
しかしながら、島コーダ国コーダは、やっとのことで苦労して龍宮までやって来たのに、手ぶらで戻るのが嫌になり、こっそり龍宮の田圃の稲の穂を摘み取って盗むと袂に隠すなり、龍宮から逃げ帰ってしまったのでした。ところが、ニシントーバルアメノカタバルという場所まで来たところで、追いかけてきた龍宮の神さまの大主に捕まって打ち倒され、死んでしまいました。
一方、一日経っても二日経っても、島コーダ国コーダが戻って来ないため、天の神さまは心配して、使いの者を送って消息を尋ねさせました。そして、使いの者は、ニシントー原アメノカタ原で、島コーダ国コーダが無惨な姿で死んでいるのを見つけたのでした。
そして天の使者が薬を飲ませたところ、島コーダ国コーダは、生き返ったのでした。後に、神さまから事情を聞かれて正直にありのままを話したところ、盗んだ稲の穂を龍宮に返しに行って謝って、そして、改めて、何とか稲の穂を分けて頂けないでしょうかと御願いするように神さまから、教えられました。
島コーダ国コーダは、再び龍宮に行き、自分がしたことを謝り、盗った稲穂を元の穂にくっつけて、帰ってきました。それから、新祭を執り行ってから後、龍宮に再び出掛けて行き、龍宮の神さまの大主に、今度は稲の種を貰って来ることができました。
その時の稲が、奄美大島に、古くからあるところの、アサナツヌヨネゴンダネなのだそうな。
※この話の参考とした話
①『おきのえらぶ昔話』
②奄美・鹿児島県大島郡沖永良部島~『おきのえらぶ昔話』
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●伝承地
①奄美・鹿児島県大島郡和泊町出花~
島コーダ国コーダが島を建設して、
Shimakōda-kunikōda gasnima fnnudi,
島を建設したが島が地揺れし、土がぐらついて、
Shima wa funudashiga shima nu jiiyutamichi shi, micha nu yugumichi
ここ踏めばかしこ上り、かしこ踏めばここ上り、
fuma kumiba ama agari, ama kumiba fuma agari,
仕方がないので神に相じた(相談した)。相じた処が神様が言われる。
汝程の島コーダ国コーダ、その位の事が分らなかったのか、
Ura fudu nu Shimakōda-Kunikōda, unugure nu kutu wakara-dan a atina,
東の岸には黒石置け、西の岸には白石置け。
agari nu kishi niwa kuruishi uki, iri nu kishi niwa shiruishi uki.
国は建設したが、人間造る事が出来ない。
Kuni wa funudashiga ningin tsukuyunu kutu ga dikiramu.
又神に相じた。神様は、土で仏様のごと造って、息をこめれば人間が出来る、と言われる。人間は造ったが子の出来る方法は如何であろうか。又神様に相じた。神様が言われる。
えけが(男)の家は風上に造れ、女子の家は風下に造れ。
Yikiga nu yā wa uwara ni tsukuri unagu nu yā wa shāra ni tsukuri.
造った処が、風上の男の息が、風下の女に息にかかって、子が出来るようになった。子が出来るようになったが、食べるものは如何。又神様に相じた。神様が言われる。
ニラが島(竜宮)で、物種を貰って来て、作らすることせよ。
Niragashima iji munudani murati kichi chikurasunu kutu shiri.
島コーダ国コーダは神様の教えに従いニラが島へ行った。そうしてニラの大主(うふぬし)にお願いしたら、
初穂祭をしない故、物種は出されぬ。新祭(あらまつ)をした上で上げよう。
Ufatsu matui nantuni, munudani wa ijasaramu……
と言われる。そこで島コーダ国コーダ、
これ程の島のコーダ国コーダが来たる上、ただ戻る事はならじ、
kunnu Shimakōda-kunikōda ga kicharu ui tada mudu nu kutu wa naraji,
と言って、田圃の稲の穂を摘み切って袂に隠し、ニラが島から逃げ帰った。そうしてニシントーバルアメノカタバルという処まで来たら、ニラの神様に追いつかれ、打倒されて気が遠くなって死んだ。
一日しても二日たっても、島コーダ国コーダが戻って来ない。天の神様が心配されて、使いを遣って尋ねさせた処が、ニシントー原アメノカタ原に、目こぼれ鼻こぼれして死んでいた。
mii kuburi fana kuburi shi mōi shi uta mu.
天の使が薬を飲ませると、島コーダ国コーダは生返った。神様は事情を聞かれ、その穂はもとに返して、あらためて貰い受けて来るように言われた。島コーダ国コーダは再びニラが島へ行って、盗って来た穂をもとの穂に接いで、新祭をすませて後改めて穂種を貰って来た。その稲がこの島に古くからある、アサナツヌヨネゴンダネ(asanatsu-nu-yunigundani)である。(『おきのえらぶ昔話』)
②奄美・鹿児島県大島郡沖永良部島~島コーダ島テーシが永良部の国を建てた。建てる時ニラの大主が東の大潮、西の大潮を干かせた。最初島は浮いており、ぐらついていた。島コーダ、島テーシが西の崎に白石、東の崎に黒石をおいた。太陽の神にお願いしたら、子の星と午の星をおろしてくれた。子の星はエケリで午の星はウナリで二人の息子ができた。(『おきのえらぶ昔話』)
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