泉崎の起源~新訳『球陽外卷・遺老說傳』第11話

横浜のトシ

2012年07月02日 20:20


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~琉球沖縄に伝わる民話~

新訳球陽外卷(きゅうようがいかん)遺老(いろうせつでん)』第11話

泉崎(いずみざき)起源(きげん/はじめ)




 (とお)(むかし)時代(じだい)泉崎(いずみざき)(そん)元々(もともと)宗部(そべ)(そん)()ばれていました。
 近世(きんせい)になった(ころ)泉崎(いずみざき)(ばし)(あた)りに、安室(あむる)親方(うぇーかた)という人物(じんぶつ)がおりました((した)()(つた)わっていません)。
 お金持(かねも)ちで身分(みぶん)(たか)非常(ひじょう)意気盛(いきさか)んで、いつもお(さけ)(つく)ってそれを仕事(しごと)にしていました。
 そうしてそのお(さけ)は、日日(ひび)醸造(じょうぞう)され、途絶(とだ)えることが(けっ)してないのは、あたかも(いずみ)()くようでした。
 人々(ひとびと)はこれを()(もと)めましたが、()()くすことなど出来(でき)ませんでした。
 それで世間一般(せけんいっぱん)にこれを泉酒(いずみざけ)()びました。
 そしてついにその(むら)名付(なづ)けて泉酒(いずみざき)()うようになりました。
 その(のち)()泉崎(いずみざき)(あらた)めたとそう(つた)わっております。



 
※注や解説

往昔(おうせき)】~()()った(むかし)大昔(おおむかし)往古(おうこ)昔々(むかしむかし)(はる)(むかし)(いにしえ)
泉崎(いずみざき)(そん)】~邑=村。以前(いぜん)発音(はつおん)は「いずんざち/いじゅんじゃち」など。首里(しゅり)王府(おうふ)時代(じだい)のいわゆる那覇(なは)とは那覇(なーふぁ)四町(ゆまち)であり、(とく)に、那覇(なは)

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