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~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~
~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~
奄美・沖縄本島・沖縄先島の伝説より、第124話。
イブィガナシ
その
すると
「これは
もしもまた、
そこで、その
「
(※
「
(※南原の
そんな
※この話の参考とした話
①柳田~「御座石」
②奄美・鹿児島県大島郡徳之島町亀徳~『徳之島の昔話』
③奄美・鹿児島県大島郡徳之島町井之川~「徳之島郷土研究会報」八号
④沖縄本島・沖縄県島尻郡渡嘉敷村渡名喜島~「沖縄民俗」十一号
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●伝承地
①柳田~「御座石」
②奄美・鹿児島県大島郡徳之島町亀徳
東(あがれ)の浜の平たい石に乗って白髪の爺さんがいらっしゃったので、ナンバレダックェ(南原の一門)の人達が御飯を炊いて持って行って上げたら、何回上げてもあがらなかった。
「これは自分に食べさせるべきものではない。鍋に炊く物ではなく、米を粢(しとぎ)(※神前に供える餅(もち)の一種。沖縄ではシユキと発音)にして持って来い」といわれたので、その通りにして持って行ったらそれはあがられた。上原(ういんばれ)ダックェの人達はシユキ(粢)を作って度々上げていたが、南原ダックェの人達はこれをうるさがり、早く追い出さなければならないといって、石を投げてずっと追って行ったところが、その人の言うことには、「上ぬふダックェー 虱(しらん)ダックェ (上原の一門は風のふえるように子孫が繁栄せよ)」「南原ダックェや 石腹ダックェ (南原の一門は 子孫の繁栄もない石腹になれ)」山を一越し越したら、石はそこに残り、爺さんはいなくなった。このようにその人がイブィなったので(いなくなったので)これをイブィガナシとしてまつるようになった。(『徳之島の昔話』)
③奄美・鹿児島県大島郡徳之島町井之川~六月の暑い日、二人の人が浜で涼んでいた。海の彼方から人形のようなものが石にのってきた。あそこからくるものはなんだろうといって一人の人は石を投げた。もう一人の人は着物のえりをみながらシラミを取っていたが、石にのっていたのは神様にちがいないと家に帰り食物を持ってきた。するとボロの衣をまとった老人は、私は鍋に煮た物は食べない。シトギを持ってきなさいといった。いそいで、シトギを持っていったらきれいに食べた。その時石を投げた人を石腹のように子どもが生まれない意味のイシワタダッキィ、シトギを持っていった人にはシラミのように末長く栄える意味でシラタリダッキィといった。そして、現在イビガナシのある場所にいき、穴に住んでいたが、ある日、突然姿を消した。それ以後、老人の住んでいた穴をウキボージガナシ、老人がのってきた石をイビガナシとして祭るようになった。行方不明になることをイビになったという。老人がここでイビになったのでイビガナシと呼ぶようになった。(「徳之島郷土研究会報」八号)
④沖縄本島・沖縄県島尻郡渡嘉敷村渡名喜島~東部落のゼンゾーヤー(屋号)が祀っているイビガナシーは、巨石が地面から突き出している所である。昔、その石の間から海亀が出て来たので、その家の人が捕まえようと追いかけて行き、東の浜まで来ると、その浜に突き出たトヌゲー石の中で姿をくらましてしまった。不思議に思い、この海亀の出て来たアパシーヤーの石は龍宮へ続く道というので、ゼンゾーヤーの門中が、ウマチーに拝んでいる。(「沖縄民俗」十一号)
①柳田~「御座石」
②奄美・鹿児島県大島郡徳之島町亀徳
東(あがれ)の浜の平たい石に乗って白髪の爺さんがいらっしゃったので、ナンバレダックェ(南原の一門)の人達が御飯を炊いて持って行って上げたら、何回上げてもあがらなかった。
「これは自分に食べさせるべきものではない。鍋に炊く物ではなく、米を粢(しとぎ)(※神前に供える餅(もち)の一種。沖縄ではシユキと発音)にして持って来い」といわれたので、その通りにして持って行ったらそれはあがられた。上原(ういんばれ)ダックェの人達はシユキ(粢)を作って度々上げていたが、南原ダックェの人達はこれをうるさがり、早く追い出さなければならないといって、石を投げてずっと追って行ったところが、その人の言うことには、「上ぬふダックェー 虱(しらん)ダックェ (上原の一門は風のふえるように子孫が繁栄せよ)」「南原ダックェや 石腹ダックェ (南原の一門は 子孫の繁栄もない石腹になれ)」山を一越し越したら、石はそこに残り、爺さんはいなくなった。このようにその人がイブィなったので(いなくなったので)これをイブィガナシとしてまつるようになった。(『徳之島の昔話』)
③奄美・鹿児島県大島郡徳之島町井之川~六月の暑い日、二人の人が浜で涼んでいた。海の彼方から人形のようなものが石にのってきた。あそこからくるものはなんだろうといって一人の人は石を投げた。もう一人の人は着物のえりをみながらシラミを取っていたが、石にのっていたのは神様にちがいないと家に帰り食物を持ってきた。するとボロの衣をまとった老人は、私は鍋に煮た物は食べない。シトギを持ってきなさいといった。いそいで、シトギを持っていったらきれいに食べた。その時石を投げた人を石腹のように子どもが生まれない意味のイシワタダッキィ、シトギを持っていった人にはシラミのように末長く栄える意味でシラタリダッキィといった。そして、現在イビガナシのある場所にいき、穴に住んでいたが、ある日、突然姿を消した。それ以後、老人の住んでいた穴をウキボージガナシ、老人がのってきた石をイビガナシとして祭るようになった。行方不明になることをイビになったという。老人がここでイビになったのでイビガナシと呼ぶようになった。(「徳之島郷土研究会報」八号)
④沖縄本島・沖縄県島尻郡渡嘉敷村渡名喜島~東部落のゼンゾーヤー(屋号)が祀っているイビガナシーは、巨石が地面から突き出している所である。昔、その石の間から海亀が出て来たので、その家の人が捕まえようと追いかけて行き、東の浜まで来ると、その浜に突き出たトヌゲー石の中で姿をくらましてしまった。不思議に思い、この海亀の出て来たアパシーヤーの石は龍宮へ続く道というので、ゼンゾーヤーの門中が、ウマチーに拝んでいる。(「沖縄民俗」十一号)
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