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~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~

奄美・沖縄本島・沖縄先島の伝説より、第103話。


()(はじ)まり



 むかし(むかし)(こと)です。
 ある(ひと)が、唐国(からくに)(※中国や朝鮮韓国)(わた)りました。
 その土地(とち)()(もの)で、()(うた)()きました。そしてこれにとても感心(かんしん)し、すっかり()()ってしまいました。そこで、帰国(きこく)する(さい)、これを琉球(りゅうきゅう)()(かえ)(こと)にしたそうです。
 道中(どうちゅう)何事(なにごと)もなく、(ふね)無事(ぶじ)那覇港(なはこう)到着(とうちゃく)しました。そこで上陸(じょうりく)すると、家路(いえじ)()いたのでした。
 その途中(とちゅう)丁度(ちょうど)垣花(かきのはな/かちぬふぁな)の、蚊坂(がじゃんびら)()(とき)(こと)です。
 ふと気付(きづ)くと不思議(ふしぎ)(こと)に、先程(さきほど)まで()こえていた()(うた)()こえないではありませんか。(あわ)てて(はこ)()けて、(なか)()てみたところ、()(すべ)()げていて、一匹(いっぴき)もいなかったそうです。
 琉球(りゅうきゅう)()は、この(とき)から、(ひろ)がったそうな。


※この話の参考とした話
沖縄本島・沖縄県那覇市~『南島説話』
那覇市久米~那覇市文化財報告第八集『那覇の民話資料』第五集那覇地区
沖縄本島・沖縄県糸満市米須~昭和六十三年 立命館大学説話文学研究会採集稿


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●伝承地
沖縄本島・沖縄県那覇市~ある人が昔唐国に渡った。かの地で蚊の歌を聞き、これに全く感心してしまい、帰国に際しこれを琉球に持ち帰った。船も無事那覇港に到着し、上陸して家に帰ろうとした。ちょうど今のガシャンビラ(蚊坂、垣花にあり)に来ると、不思議なことには蚊の歌が聞こえない。箱を開けて見たら蚊は逃げて一匹もいなかった。琉球の蚊はここから拡がったのである。(『南島説話』)
那覇市久米~昔、沖縄の偉い方が唐に行かれて、唐からガジャン(蚊)を持って帰られ、垣花のガジャンビラ(蚊坂)で、けっつまずいてガジャンを飛ばしてしまった。それから沖縄にもガジャンがでたそうだ。(那覇市文化財報告第八集『那覇の民話資料』第五集那覇地区)
沖縄本島・沖縄県糸満市米須~沖縄には人間が少なく蚊も少なかった。ところが、名護親方が近いうちに、辺土岬から喜屋武岬まで、ガザン(蚊)が行き通うようになり、行商人が物を担いで全国歩くようになるとおっしゃった。何年か後、そのようになった。(昭和六十三年 立命館大学説話文学研究会採集稿)


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私は沖縄移住後
蚊に刺されやすくなりました(>_<)
本土にいた時の環境よりも
蚊に遭遇する機会は
減ったように思うのですが
なぜなのかな~??体温上昇したのかな?

このお話の主人公のある人は
蚊の歌!?に感心したとありますが
私は蚊の歌を耳にすると
戦いが始まります~(笑)
Posted by ぐるんぱぐるんぱ at 2011年02月21日 04:59


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