ものいう岩 ~琉球沖縄の伝説

2011年04月10日

Posted by 横浜のトシ(爲井) at 20:20│Comments(3)琉球沖縄の伝説・沖縄本島編

みんなで楽しもう!
~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~

奄美・沖縄本島・沖縄先島の伝説より、第124話。


ものいう(いわ)



 むかし(むかし)新城(あらぐすく)下原(しもばる)といって、現在(げんざい)場所(ばしょ)より、ずっと(した)(ほう)に、あったそうです。そしてその(ころ)は、安仁屋(あにや)新城(あらぐすく)(むら)は、くっついていました。
 この(ふた)つの(むら)は、あまり(なか)()くなくて、(あらそ)いが()えなかったそうです。
 (ふた)つの(むら)喧嘩(けんか)ばかりしていたところ、(おお)きなシー()があって、そのシー()が、毎晩(まいばん)(おお)きな(こえ)()(はじ)めたそうです。
 「安仁屋小くんけーらし、下原小くんたばり(※安仁屋(あにや)をうんとひっくり(かえ)せ、下原(しもばる)(つよ)(しば)れ)」と。
 本当(ほんとう)()こえたのかどうは()(かく)として、(むかし)(ひと)は、こういうことを(おそ)れますから、安仁屋(あにや)人々(ひとびと)は、ずっと(した)(ほう)()がって、また、下原(しもばる)人々(ひとびと)は、(いま)(ところ)()がって、やがて新城(あらぐすく)という()()わったそうな。

 
※この話の参考とした話
柳田~「物岩」
沖縄本島・沖縄県沖縄県宜野湾市新城~『宜野湾市史』第五巻資料編四 民俗
『佐敷町史』
同上~『佐敷村誌』
沖縄本島・沖縄県うるま市天願~『ふるさとの昔ばなし 具志川市の民話』(一)


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●伝承地
柳田~「物岩」
沖縄本島・沖縄県沖縄県宜野湾市新城~昔は新城は下原というて、今よりずっと下の方に部落があったらしいですね。そのころは、安仁屋部落と新城部落はくっついていてですね、仲が悪くていつもけんかばかりしていたらしいですよ。それでまあ、そこには大きなシー(岩)があって、そのシーが、「安仁屋小くんけーらし、新城小くんたばり(安仁屋をうんとひっくり返せ、新城を強く縛れ)」と、毎晩どなったそうですよ。それで、昔の人はこういうことを恐れますから、安仁屋部落はずっと下の方にさがってですね、また新城は、今の所にあがってきたらしいですがね。(『宜野湾市史』第五巻資料編四 民俗)
沖縄本島・沖縄県島尻郡佐敷町津波古~耕作の妨げになっていた大きな石を、他の場所に移そうとした。するとその石がうなり声をあげたので、人々は恐れて、とうとうこの石を動かすのをやめた。(『佐敷町史』)
同上~昔、正午頃になると、散山節を歌う女の声が聞こえた。その声のする岩は、かつて女郎の墓であったと伝えられている。(『佐敷村誌』)
沖縄本島・沖縄県うるま市天願~ミーフガー石は、誰にも動かすことが出来ない。他に移してもまた元の場所に戻って来る。(『ふるさとの昔ばなし 具志川市の民話』(一))


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文仁演さん、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

そちらは、流石に、地震、大丈夫ですよね?
このところ関東で地震は、たびたびなんですが、
今日の関東は、大きい地震が多過ぎて、大変です。

琉球、奄美を知るには、
旅行用のガイドブックより、
沖縄独自の、高校の日本史の教科書の副読本が、
安くて、中味が盛り沢山です。

ただ沖縄や奄美の方々にとっては、
知っている事ばかりなので、民話の方が、楽しめる気がします。

地域の図書館でも、
他の地域の図書館から、本を取り寄せてもらえたりするシステムがあったりします。

一方、大阪府立中央図書館といった、
各都道府県の図書館は、やはり、中味が違います。

全国では、東京の国会図書館が1番です。

それでも、地方の図書館ならでは物が、地方にはあります。
沖縄の民話は特殊で、
各地域の、教育委員会発行等の書籍が多いのです。
それは、
その地域の一般家庭に配布され、地域の図書館には寄贈されたりしますが、
あっても、地域の図書館どまりなんです。

沖縄本島の古本屋を回って、僕は手に入れます。
後は、実際に、どこかで手にとってみて、
ネットで、
全国の古本屋・Yahooのオークション・amazonの中古で手に入れます。

黒い表紙の『奄美夜話』、奄美に行った時に買いました。
とても読みやすく、一気に読めました。

奄美は、資料が少ないので大変ですが、 頑張って下さい。では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2011年04月11日 22:38


楽書字遊人さま、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

コメントして頂けるなんて、思ってもいませんでしたので、
感激です。

私も、かなり以前から、ブログを拝見しておりました。
といいますのは、
「夢」がいっぱいなのが最高で、
それもさることながら、
初めてブログを拝見した際、
「子どもの教育を考える」という言葉があり、
教育活動にたずさわる者として、印象が強かったのです。

教師に向かない僕は、
大学で、教育の先生にもつかまってしまい、
教師をして何年後、
『教職論』という先生の講義に、特別ゲストとして、
年、1回、講義するようになりました。

というより、先生に言われたら、
いやだなんて、絶対に言えなかったわけです。
本当に、かわいがって、頂いたもので。

そして、なんだかんだで、十数年、それを繰り返しました。

お陰で、真面目でない僕なのに、
真面目に生き、真面目に教育を、考えざるを得なくなっちゃったんです。

先生に出会わなかったら、もっと気楽な人生のハズだったんです(涙)。

西口賢治さんだけでなく、
沖縄には、字が上手な方が、一杯いらっしゃって、素適です。

西口賢治さんの字は、吉澤直美さんから正月に頂いた、
葉書のカレンダーや、その前の昨年末、
くくるで、実際に、書を拝見致しました。

3燦観光大使ですか? いいなあ。本気にしちゃいますよ~。
やった~!証明書、書いて頂けるなんて!

直美さんには、このところ、デージ御世話になっています。
何でも知ってるので、僕の事典のような人です。

僕は、中高の国語と、高校の書道の教員免許を持っています。
でも、やはり書いてこなかったので、もうちゃんと書けませ~ん。

こちらこそ、
これを機会に、どうぞ、ゆたしくうにげーさびら~。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2011年04月11日 22:17


琉球、奄美の本を読むなら、まず民話から入った
方がいいようですね。
大阪枚方市ですが、図書館に行っても歴史本
ばかりで民話はありません。
奄美庵か南方新社に、奄美夜話という本があった
とおもいます。もういちど調べて
あれば購入します。
Posted by 文仁演 at 2011年04月11日 21:31


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