おかゆ坂 ~琉球沖縄の伝説

2011年06月04日

Posted by 横浜のトシ at 20:20│Comments(2)琉球沖縄の伝説・沖縄本島編

みんなで楽しもう!
~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~

奄美・沖縄本島・沖縄先島の伝説より、第152話。


おかゆ(ざか)



 牧港(まきみなと/まちなと)から首里(しゅり/すい)へ上がっていくウケメービラ(おかゆ坂)の、()由来(ゆらい)です。
 むかし(むかし)のこと、薩摩(さつま)(くに)が、鹿児島(かごしま)から琉球(りゅうきゅう)()()んだ(とき)のことです。
 当時(とうじ)琉球(りゅうきゅう)人々(ひとびと)(いま)とは(ちが)って、(おろ)かな迷信(めいしん)まで(しん)()()ぎるようになっていたため、(あつ)ウケメー(おかゆ)沢山(たくさん)()て、大量(たいりょう)に、ウケメービラ(おかゆ坂)にまいたのでした。
 それは、(あつ)いお(かゆ)(うえ)(ひと)(ある)けないと、(かんが)えていたからで、これで、もう(てき)首里城(しゅりじょう)までやって()られないと(おも)ったのでした。
 一方(いっぽう)薩摩(さつま)(へい)は、湯気(ゆげ)()てた大量(たいりょう)(かゆ)目前(もくぜん)(さか)にまかれているので、見慣(みな)れぬ光景(こうけい)(まえ)にし、(おどろ)きました。しかし、事前(じぜん)琉球(りゅうきゅう)については調(しら)べがついていたため、これが琉球(りゅうきゅう)迷信(めいしん)だと()るやいなや、これ(さいわ)いと、調度(ちょうど)長旅(ながたび)空腹(くうふく)だったため、(かゆ)(はら)()たして元気(げんき)()(もど)しました。
 それでもまだ、沢山(たくさん)(あつ)(かゆ)が、(さか)にずっと()()められていましたが、どんなに(あつ)(かゆ)もあっという()()め、()ぐに首里城(しゅりじょう)()められました。
 (むかし)の、琉球(りゅうきゅう)人々(ひとびと)(おろ)かしさを、(かく)さず後世(こうせい)にわざわざ(のこ)して(つた)えるのは、(けっ)して二度(にど)(おな)(あやま)ちを(おか)してはならないという、先祖(せんぞ)からの(いまし)めであるのは、いうまでもありません。

 
※この話の参考とした話
柳田~「小豆坂」
沖縄本島・沖縄県島尻郡南風原町神里~『ふるさとの民話 南風原町』第一集
沖縄本島・沖縄県那覇市泊~『那覇市文化財調査報告第八集 那覇の民話資料』第五集那覇地区


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●伝承地
柳田~「小豆坂」
沖縄本島・沖縄県島尻郡南風原町神里~牧港から首里へ上がる牧港のウケメービラ(おかゆ坂)はよ、丁度鹿児島から沖縄が攻めに来たときに、昔は愚かだったので、ウケメー(おかゆ)をたくさん熱いのを煮て、その坂によ、「おかゆの熱いものの上からは、人は、歩けないから寄って来ない」と計算して、おかゆ坂のその道にだよ、おかゆをこぼしてあったって。おかゆをたくさんごぼしておいたから、すぐには熱いので入って来れないが、それが冷えたら、敵は餓死しかけていたからそれを食べて助かり、沖縄は、攻められたって。昔は、そういうことで、沖縄の人は愚かだったわけさ。(『ふるさとの民話 南風原町』第一集)
沖縄本島・沖縄県那覇市泊~嘉手納の天川坂での話。戦争で兵隊が攻めて来た時村人は、お粥を流せば滑るから登ってこられないと考えた。だがそのお粥で敵は元気を取り戻し、攻められたそうだ。(『那覇市文化財調査報告第八集 那覇の民話資料』第五集那覇地区)


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ルミさん、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

おかゆの坂、僕も、初めてです。
熱いお粥で、敵の侵入を防ぐという話も初耳。

気づきませんでした。
確かに、ムーチーの汁の場合と似てますね。

「どうも大切なおかゆを道にまく…というのは無理があるような」?

確かに。
寝ぼけて書いていたせいか、普通にそうだったんだろうと想像しちゃいました。
確かに、道路一面、ずっとお粥で敷き詰める、無理があるような(笑)。

借りに石畳や階段なら、滑りやすそうだけれども、それなら油を流した方がいい。

敵に塩を送る、というのは聞いたことがあるが、
お粥や米はマズい。
だいたい、地面のお粥、食べるか? ・・・・・・無理があるような(笑)。

やっぱりルミさんが言うように、かなり色々な面で、無理あるなあ~。

ご飯のリサイクルですか?
僕は、ご飯のリサイクルはしませんが、捨てもしません。だから太るのか?

ご飯は土鍋で炊いて、できたら、食べる以外は直ぐ冷凍してしまいます。

電気炊飯器は、特に保温機能が、便利なようで、よくお米をマズくしてしまいます。
昔から、米を炊いて、ほっとくと、冷めるけれども、白いまま。

電気炊飯器の保温機能は、お米を黄色くして、マズくしてしまいます。
なぜ、そんな機能を使う人が多くなってしまったのか、
僕には理解できません。

そもそも、朝、炊いたとして、
昼や、夜、食べるならもう一度、早めに保温のスイッチを入れればいいだけなのに。

では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2011年06月05日 02:29


こんばんは

〈おかゆ坂〉…初めて知りましたよ
熱いおかゆで敵の侵入を防ぐ…

ムーチーの(鬼もち)熱い茹で汁をまいて
鬼から守る…ちょっと似ている感じがしますね~。

同じ過ちを二度と起こさない!
という教えは納得ですが、

どうも 大切な おかゆ を 道に まく …というのは
無理があるような

もったいない事をしたら失敗する…二度としてはいけない!
と私は感じましたよ~(笑)
残ったご飯も捨てないで、リサイクル(炒飯、おかゆ、雑炊等)している私なので、そう感じたのかもしれませんが(笑)失礼いたしました。
Posted by ルミ at 2011年06月05日 02:04


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