クガリ山 ~琉球沖縄の伝説

2011年06月13日

Posted by 横浜のトシ at 20:20│Comments(8)琉球沖縄の伝説・沖縄本島編

みんなで楽しもう!
~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~

奄美・沖縄本島・沖縄先島の伝説より、第157話。


クガリ山(恋がりやま)



 むかし(むかし)のこと、大宜味(うじみ/おおぎみ)間切(まぎり)田嘉里村(たかざとそん)に、学問(がくもん)をすると()い、時々(ときどき)喜界島(きかいじま)出掛(でか)ける(おとこ)がいそうです。それを()いた(つま)(おっと)のために、(にわ)芭蕉(ばしょう)(くき)から、繊維(せんい)()()して(いと)(つく)り、それを(さら)して(つむ)ぎ、そんな大変(たいへん)(おも)いをしながら、いつも上等(じょうとう)(はかま)などを(つく)って(おとこ)()せ、(たび)()かせました。
 ところが(おとこ)の、学問(がくもん)をするためというのは()()(うそ)で、喜界島(きかいじま)(わた)っては、その()祝女(ノロ)誘惑(ゆうわく)し、いい(なか)になって、やがてそれが周囲(しゅうい)()(わた)り、しかも(わか)れられない(なか)になりました。
 そんなある()のことです。(おとこ)(おんな)()れて田嘉里村(たかざとそん)(かえ)って()たのでした。しかしながら、(おとこ)()うのを()()け、(つま)がいないと(しん)じて(つれ)れて()られた喜界島(きかいじま)祝女(ノロ)は、田嘉里村(たかざとそん)(おとこ)(つま)がいると()るや、「こんな立派(りっぱ)奥様(おくさま)がいるのに……。」と()うやいなや、()(さけ)びながら(いえ)()()し、田嘉里村(たかざとそん)(うし)ろにあった(やま)()もって、(ひと)()()がなかった自分(じぶん)(うら)みながらも、どうしても(わす)れられない(おとこ)()()がれて()んでしまったそうです。
 それからその(やま)を、クガリ山(恋がり山)村人達(むらびとたち)()ぶようになったそうです。
 (なお)、その(とき)喜界島(きかいじま)祝女(ノロ)()んだ(うた)は、(いま)でも(むら)のウスデーク、つまり、五穀豊穣(ごこくほうじょう)祈願(きがん)感謝(かんしゃ)のために奉納(ほうのう)される舞踊(ぶとう)で、(うた)われてきました。そしてそれは(むかし)から大切(たいせつ)継承(けいしょう)されてきました。
 女性達(じょせいたち)だけで()になって(おど)りながら、
 この(やま)(わたくし)()くのを、()(ひと)はいない。(わたくし)()くのを()くのは、ただ(やま)(ひび)きばかり。
 こういう意味(いみ)(うた)(うた)われるのだそうな。

 
※この話の参考とした話
沖縄本島・沖縄県国頭郡大宜味村字田嘉里~『大宜味のむかし話』


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●伝承地
沖縄本島・沖縄県国頭郡大宜味村字田嘉里~昔、田嘉里に、学問をするといっては、時々喜界が島に出かける男がいた。妻は、庭の芭蕉の苧を引いて、さらしては、つむぎ、袴を作り、男を行かせていた。しかし、男は、学問をするというのにかこつけては喜界が島に渡り、その地の祝女を誘惑して、別れられない仲になっていた。そんなある日、男は、その女を連れて、田嘉里に帰って来た。その男に妻はいないと信じて、連れて来られた喜界が島の祝女は、田嘉里にちゃんとした妻がいたので、「こんな立派な妻がいるのに……」と、悲しんで、田嘉里の後ろの山にかくれ、その山で恋がれ死んだという。それから、その山のことを、「恋がれ山」と、村人は呼ぶようになった。その女がよんだ歌が、今でも、村のウスデークで唄われている。この山で私が泣くのを、聞く人はいない。私が泣くのを聞くのは、山のひびきばかり。(『大宜味のむかし話』)


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スーさ~ん、もう何度も同じ話、聞いたゾ~(笑)。

西村京太郎の『喜界島』や青函トンネル掘る人の話。

ノロは、琉球神道の正式な役職、祝女。
神女は、通称や総称で、色々な使われ方をします。

聞得大君職は、1944年就任の、第18代・思戸金翁主が最後。
高級神女としては、三十三君に該当する、久米島の君南風(チンペー)職が最後。
スーさんの親戚は、一般的なノロかも知れませんが、
八重山にノロは、いない筈なんだがなあ。
ツカサの誤りでは?

ああ、久高島で墓を荒らした、岡○太郎?
沖縄の敵じゃ~!

そんなくだらぬ本より、比嘉さんの写真集を買う方がいいのでは?
神々の古層シリーズは、価値があるからなあ。

沖縄のことなんか、民俗性も文化も理解していない人なんか、意味がないですよ。
あの人は、世界的に有名な画家に過ぎません。

『沖縄文化論』は酷い。
まるで、未文化の土族扱いで、話にならない。
何も、研究してないないんだなあと、呆れるよ。
読んでみるといいです。
では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2011年06月14日 17:44


スーさん、こんにちは。

今も昔も同じ? 騙し騙され・・・・・・?
アハハハ。
まるで演歌の歌詞みたい。
庶民的だなあ。

志は高く!
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2011年06月14日 17:24


仲本サン、はいさい、今日(ちゅー)拝(うが)なびら。

心臓をキリのようなもので、刺される思いでしたか。
仲本さんのような、大らかな方でも、そういう経験があるんですねぇ。

僕は、振られてばっかりが多いので、そのたびに、
「その時、周囲のすべてが、崩れ落ちていくようでした」という感じです。

「失恋とは死ぬより辛い」という言葉が、あるんですか。
知りませんでした。

かつて琉球は、
間切による、村と村の行き来が制限される統制が厳しかったようなのと、
島(間切の)という閉鎖性に加えて、
神職ということもあるので、
この女性の気持ちを察すると、
今さら、戻るに戻れなかったのではないでしょうか。

そう思うと、胸が押しつぶされる思いがします。

上陸するまで彼女は、
今風に言えば、駆け落ちや、愛の逃避行の気持ちだったのが、
男の故郷、言わば、異境の地に着いてみれば、
男には立派な妻がいる。
自分独りで、今さら、帰るに帰れない。

民主主義ではない時代にしても、
こういった中途半端な男は、どうも好きになれません。

それでも、死ぬ事はなかったのに可哀想に、という村人の思いが、
こうして民話として、語り継がせた気がしてなりません。

更に、この話の場合、
ウスデークとして、村の女性達が、輪になって唄ってきたというのですから、
村の女性達にとっては、
亡くなった女性の気持ちが痛いほどよくわかる、
そういう社会環境にを、長い間、強いられていた気がしなくもありません。

女性が亡くなっても、この男は逆に、ほっとするタイプの人間だったのではないでしょうか。
平気で、嘘をついて、妻がいる村に連れてくるような男なので。
では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2011年06月14日 17:21


私が22歳の時にアルバイトしていた神田駅の喫茶店の常連さんに推理小説作家の西村京太郎作品の”喜界島”に出てくる少女に似ていると言われたことがあります。
そのことを思い出しました。本、探してきます(笑)

常連さんの名前も覚えています。青函トンネルを掘る工事の監督さんでした。
その喫茶店に30代で行ったらつぶれていましたが、神田駅は想い出の街です(^^)

ノロという字はてっきり、神女と書くと思っていました。
劇団58号線の演劇を1度だけ見たことがあります。
ノロが出ていました。(ちなみにうちの伯母は石垣島で現役のノロです。)

岡本太郎さんは本島のノロ?に気に入られて男子禁制のウガミどころの撮影を許可されて写真集出していますね。(いつか購入したいと思っています。かなり高額なので貯金してから。)

岡本太郎さん「沖縄には何も無いと思っていた!日本の原風景があった!」と東京の養女の方に電話をかけてカメラを送ってもらったそうです。
Posted by スーさん at 2011年06月14日 16:43


こんにちは(^^)

今は逆・・・ではないですよぉ・・・と思います。
今も昔も同じ。騙し騙され・・・。
Posted by スーさん at 2011年06月14日 16:32


横浜のtoshi さん
心臓をキリのようなもので、刺される思いをしたことがあります。
失恋とは死ぬより辛いと申しますが、死ぬ事はなかったのではと思いました。語り継がれる民話にはいつまでも余韻を残す調べですか。死は残る者にいつまでも奏でるセレナーデ(笑)(*^_^*)
亡くなると男は生涯つらいですね。

チャオー
Posted by 仲本勝男仲本勝男 at 2011年06月14日 10:39


ちゅらさん、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

むかし、ノロは純粋な女性が多くて、夫婦になるまで貞操を守る人が多かったようです。

また一方で、純粋なだけに恋に落ち、
村を出なければならない女性も、少なくなかったようです。

今は、民主主義、資本主義の世の中ですが、
そんなことなど関係なく、
今も昔も、悪い男はいるようです。

さぞ、見た目が格好よく、優しい男なのでしょう。
もちろん、同性のの我々からすると、むしずが走りますが、
なぜか、そんな男が好きな女性は、今も昔も、後を絶ちません。

もちろん、
そんな男に引っかからない、しっかりした女性もまた、
今も昔もいます。

たしかに、現代は、逆かも。

女性の皆さん、男を泣なかしちゃ、駄目よ~。
ん~、情けない・・・・・・。

コメントありがとうございます。では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2011年06月13日 23:57


こんばんはお疲れさんです。
今も昔も悪い男はいるもんですね
現代は逆かな・・・女を泣かしちゃ
駄目ですね。
Posted by (有)ちゅらさん(有)ちゅらさん at 2011年06月13日 22:16


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