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~琉球沖縄に伝わる民話~

新訳球陽外卷(きゅうようがいかん)遺老(いろうせつでん)』第15話

辻蔵屋敷(つぢんぐわやしき)




 (とお)(むかし)時代(じだい)(ひと)つの辻蔵(つぢんぐわ)()ばれた役所(やくしょ)那覇(なは)(ひがし)(そん)()(もう)けるために()てました。
 そうして(いま)ではすでに廃止(はいし)されました。
 ただしかつて冊封使(さっぷうし/さっぽうし/さくほうし)()(とき)(かなら)平等所(ひらじょ)設立(せつりつ)して、そして野菜(やさい)(いのしし)(ひつじ)(など)(もの)をしまっておいて、毎日(まいにち)中国人(ちゅうごくじん)(あた)える場所(ばしょ)としました。



 
※注や解説

往昔(おうせき)】~()()った(むかし)大昔(おおむかし)往古(おうこ)昔々(むかしむかし)(はる)(むかし)(いにしえ)
一蔵(いちくら)】~「(くら)」は役所(やくしょ)名称(めいしょう)。ここに(つく)られた(くら)を「辻蔵(つぢんぐわ)」といった。「辻蔵(つぢんぐわ)」という表記(ひょうき)文献(ぶんけん)もあるが原文(げんぶん)は「一藏」。
天使(てんし)】~中国(ちゅうごく)からの使節団(しせつだん)冊封使(さっぷうし/さっぽうし/さくほうし)のこと。(みん)(くに)(たい)して琉球(りゅうきゅう)(こく)は、二(ねん)に一()進貢(しんこう)(おこな)った(※(みつ)(もの)献上(けんじょう))。というのも進貢(しんこう)により、反対(はんたい)大国(たいこく)であった(みん)からのお(かえ)しはその数十倍(すうじゅうばい)だったため。また、琉球(りゅうきゅう)(おう)交代(こうたい)(さい)には、(みん)から冊封使(さっぷうし/さっぽうし/さくほうし)といわれる使節団(しせつだん)がよこされた。この来訪(らいほう)琉球(りゅうきゅう)(こく)にとって、王朝(おうちょう)最大(さいだい)行事(ぎょうじ)だった。この冊封(さっぷう/さっぽう/さくほう)式典(しきてん)のために、(やく)五〇〇(にん)にのぼる(みん)使節団(しせつだん)が、およそ二〇〇(にち)あまり琉球(りゅうきゅう)滞在(たいざい)。その(とき)宿泊(しゅくはく)施設(しせつ)天使館(てんしかん)天使(てんし)とは冊封使(さっぷうし/さっぽうし/さくほうし)のこと。琉球(りゅうきゅう)(がわ)は、この滞在(たいざい)期間(きかん)のもてなしに大変(たいへん)(こころ)(くだ)き、準備(じゅんび)段階(だんかい)から非常(ひじょう)(ちから)(そそ)がねばならず、また莫大(ばくだい)費用(ひよう)首里(しゅり)王府(おうふ)財政(ざいせい)圧迫(あっぱく)した。
平等所(ひらじょ)】~これが辻蔵(つぢんぐわ)にあたり、『汪楫録(清汪楫録)』には「䏢喇庫」とある。役所(やくしょ)本来(ほんらい)首里(しゅり)王府(おうふ)の、(おも)専門(せんもん)裁判所(さいばんしょ)のような(ところ)。この(ぶん)では辻蔵(つぢんぐわ)をいう。
蔬菜(そさい)】~野菜(やさい)青物(あおもの)
猪羊(ちょよう)】~(いのしし)(ひつじ)猪羊六畜(ちょようろくちく)六畜(ろくちく)は、(うま)(うし)(ひつじ)(ぶた)(にわとり)(いぬ)といった家畜(かちく)をいう。
【原文~□は欠字】~往昔之世設建一藏于那覇東邑之地而今已廢焉但□天使來臨時必設立平等所以收蔬菜猪羊等物毎日爲給與中國人之處


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