はいさい、今日(ちゅう)(うが)なびら。
ご訪問、ありがとうございます。
いっぺー、にふぇーでーびる。


先日、国際通り周辺を、
デジイチ(デジタル一眼レフ)を持って、
徘徊(はいかい)しておりました。
まーやーくぃーや~

私は、
うちなーぐちをよく知りません。
たくさんあって、
とても難しいので。

それでも有名ないくつかは、
聞いたとか知っているのではなくて、
きちんと調べ、
マブイでわかっているつもりですが、
沖縄は広すぎて、
まして奄美まで入れた琉球は広すぎて、
なかなか方言は、
調べきれるものではありません。

もちろん方言の多くは、
後世に残すべきだとは思ってますが。

ところで、
昨日、
国際通りを歩いていたところ、
いきなり行く手をふさがれ、
「ナイチャーの、にぃーにぃー」と、
声をかけられて、
たましぬぎたん!
まぶや〜まぶや~。

どうやら私を観光客と思ったようです。
まあ、間違いとも言い切れませんが。

というより芭蕉布のかりゆし着た私を、
観光客と思うあなたの性格が羨ましい~

私が観光客で、
突然、沖縄方言で話しかけられ、
驚いて立ち止まる設定なのか?

実際の私は、
あきれて立ち止まったが。

すると、
待ってましたとばかり、
すかさず意味を説明し出す客引き。
機関銃ト〜ク!
カメカメ攻撃〜

お前はオバーかっ〜


「『ナイチャー』というのはですね、
内地(ないち)からのお客さんを言うんです。
ちなみに僕もナイチャーです。
あとですねぇ〜、
にぃーにぃーというのは、
お兄さんっていう意味なんですよ〜」

そもそも意味なんて君に聞いてないよぉ〜

でも、知ってるさぁ~。
それにしても、
ナイチャーという言葉は、
うちなーんちゅが、
やまとの人間を馬鹿にして使う、
呼び方なんだがなあ〜。

ヤマトンチューが、
昔からの普通の呼び方だば〜よ〜。

最近は、
「ナイチャー」と「ヤマトンチュ」の違いさえ、
知らない人が増えているとか。

「ナイチャー」は内地の人、
「ヤマトンチュ」は大和の人の意で、
ともに沖縄の人が、
本州の人を指す点では同じだが、
琉球時代の昔から、
使われ方が大きく違う。

「ナイチャー」はあくまで、
沖縄人が相手のやまとの人を、
馬鹿にしたり、見下す場合に使う言葉。
今でも知ってて使う人も少なくない。

たとえば琉球時代、
沖縄にいた、
薩摩のえばりくさった役人などに対して、
陰口でよく使った言葉。


それにしても、
突然、
弟でもないのに、
「にぃーにぃー」と呼ばれるのにも、
かなり抵抗が。

まして軽薄そうなフラーだから尚更(なおさら)

おそらく客引きは「お兄さん」というニュアンスで使っているのか?

あげっ!
まさか初対面で、
弟にしてくれと、
こいつは言っているのか!

まあ、そうではなさそうだ。
はっさみよ〜

確かに沖縄では、
実の兄でなくても、
親戚の年上の人はじめ、
「にぃーにぃー」と使ったりはする。
単独でも使うけれども、
「○○にぃーにぃー」と、
○○に名前を入れて使う。

私が怪訝(けげん)な顔のままでいると、
客引きは、
続いてこんな事までしゃべりだした。

めちゃくちゃさ〜

「沖縄の人間は、
何があっても、
なんくるないさーで、
生きてるんです。」

お前、
うちなーんちゅじゃ、
ないやっさ〜!
(※心の叫び)

とにかく、
色々というより、
滅茶苦茶しゃべりまくる客引き。

そもそも、
だいたいそれ言うなら、
ちゃーにかいさ、の間違いだろ!
沖縄をばかにするのか!
ふらーあらに!

大人げなく、
つい、
いらだちを禁じえない自分がいた。

いかん!
ここは沖縄〜、
ここは沖縄〜、
ゆいゆいゆいま〜る〜♪

でも琉球の昔から伝わってきた先祖の言葉の、
いい加減な解説や、当て字はじめ、
ひどい言葉の乱れは、
どうしても好きになれないなあ。

日本語や方言の、
素晴らしさや美しさは、
やはりいつの世までも残って欲しい。

ところで、
「なんくるないさ」という言葉、
単に「何とかなる」「どうにかなる」、
つまり、
投げやり、いい加減、適当の意味では、
ありましぇ~ん。
楽観的見通しの意味でも、ないば〜

かつては、
(まくとぅ)そーけーなんくるないさ」と使いました。
この決まった形、定型句(ていけいく)の言い回しが語源。

その真の意味は、
人として「まくとぅそーけ」、
つまり、
「正しい事、真(誠)の事を続けていけば、
なんくるないさ(=いつか何とかなるものさ)」。

果報(かほう)は寝て待て」と同じ。

ただし、
何もしないで待っているのではなく、
むしろ正反対で、
最大限の努力をし、
想定外の事態の場合まで考えて準備し、
不測の事態が起こったとしも対処できる、
だから、
もうこれ以上する事がない、
どんなことでも対応できる、
すべき事はすべてし尽くした、
あとは野となれ山となれ!

そんな時に使う言葉が、
果報は寝て待て、なのだ。

「なんくるないさ」も同様。

(くじ)けず正しい道を歩むべく、
こつこつ努力を続けていくと、
いつか良い日が来る」、
それが本当の意味。

ところで、
なにも考えてない、
いい加減、どうにかなるさ、
を意味する言葉は、
沖縄語にあるのを知っているでしょうか。

実は、
「ちゃーにかいさ」がそれで、
これもまた、
沖縄の言葉として昔からあるのです。

あるということは、
長い琉球沖縄の時代を通して、
使い分けられてきたということです。

繰り返しますが、
「ナイチャー」は、
沖縄の人間が、
沖縄以外の人を馬鹿にしていう言い方。
普通の正しい言い方は、
「ヤマトゥンチュー」。

従って、
特に本土から沖縄に来た人間が、
「私はナイチャーです」と自分で言ってしまうと、
自分は馬鹿ですと言ってるようなもの。

どうぞ、みなさんも気を付けましょうねぇ〜。

正しい言葉で言えば、
「したいひゃー!」って褒められるかも。
思わず発する言葉で、
よくやった の意。
あっぱれ、でかした、
というニュアンスがあります。


最後に、
ウチナー、ウチナーンチュですが、
元々は、
沖縄本島、沖縄本島の人、の意。

沖縄県全体や、
沖縄全ての人をさす言葉では、
ありませんでした。

つまり、
沖縄本島以外の沖縄の人々も、
かつては、
沖縄本島の人のことを、
ウチナー、ウチナーンチュと、
呼んでいました。

言葉は、人の内部、
魂から流れ出てくるもの。

言葉が、きたないのは、
魂が、けがれている証拠。

これを読んでいるみなさんは、
きれいな言葉を、使おうねぇ〜

では。




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三河の嫁さん、ちっとも小難しくないですよ。

筋がしっかり通っているし、 注までついているから、相手にしっかりと内容が伝わります。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2012年03月31日 08:09


三河の嫁さん、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

ひとりぼっちじゃない夜ですか?
僕もあなたと同感です。
50~年代のオールディーズ、ボビー・ヴィントンの「ミスター・ロンリー」 はじめ、この時代のキーワードが、独り、の気がしますから。
そしておっしゃる通り、逆説的に、独りぼっちじゃないは、確かにそうかも知れませんね。

あまりの夢想ばかりというのでは、それは若者の特権ですので、
社会人にとっては良くありませんが、
それでも、社会人にとってさえ、豊かな想像力こそ、人智の極みです。

僕は文化系です(笑)。
コメント、にふぇーでーびる。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2012年03月31日 08:08


なんだか、こむずかしくて?すみません。
Posted by 三河の嫁 at 2012年03月30日 22:57


toshiさん、こんばんは(^^)

世界中に?”詫び寂び”が共有できると良いですね。

夕方の、情報番組で坂本 九さんのすき焼きソングを、若者が歌いました。

しかも、替え歌にして、”ひとりぼっちじゃない夜~♪”と歌い上げましたが・・・。

坂本 九さんの歌う、歌詞にマイナスイメージがあったのでしょうか?

けれども、”一人ぼっちの夜~♪”の歌詞からは、当時の人々は、おそらく、”一人ぼっちじゃない”という逆説的に”エール”を感じたはずです。(私見です。)

私が、英語の”ナイス トゥ・・・”、貴方に出逢えて光栄です・・・の奥に、”また、お逢いしたいです!”と想いこんでしまったように・・・。

いずれにしても、現代人の”想像力の減り”が要因ですね
(^^)

※現代人とは、今、生きている年代の方々、すべてのことです※
※すみません、体育会系なので、全体責任と捉えたいです。あしからず。※
Posted by 三河の嫁 at 2012年03月30日 22:55


たかりん★、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

ふと書いたら、こんなにも皆さんの反応が多くて、
ちょっとびっくり(笑)。

子ども達の学力が落ちるのは、
その前に、先に若い大人の学力が落ちるからで、
これは何も、沖縄だけにはじまらず、全国で起こっていることです。

ただ沖縄では、オジーやオバーの教えが強くて、
また、オジー、オバーを大切にして、耳を傾ける大人も子どもも多くて、
これは、他の地域と、はっきり違います。

それから沖縄は、
すてきな人とそうでない人が極端で、素晴らしい人は、間違いなく全国一です。
そんな人たちを騙したり、くいものにする人が多いのは悲しいことです。

勘違いしては、いけません。
あくまで私は、沖縄のみなさんが知っていることをぜんぜん知らなくて、
知らないことを、少しだけ、知っているにすぎません。

沖縄の古典から学ぶことは多い、
それは伝統があり深みや奥行きがあるということで、やめられませ~ん(笑)。
いつも素適なコメント、いっぺー、にふぇーでーびる。
感謝。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2012年03月30日 10:15


三河の嫁さん、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

ボク、英語は、まるっきりダメなんです。
なにしろ、使う機会が、まるっきりありませんでした。

”ナイス トゥー ミー トゥ ユー”、社交辞令の場合があること、
ありがとうございます。初めて聞きました。

心のこもった英語は、言葉と一緒に、
たとえば、力強い握手や、ハグでしょうか?
これは、僕の場合、相手の感じがよく伝わりましたが(笑)。

ただ、アジアの人間は、それではまったく逆です。

たとえば、西洋のご夫婦などを見ていると、
いつまでも、アイ ラブ ユーと言い続けて、言葉や態度で表すのが普通。

裏を返せば、
相手の気持ちを確認しないと、相手の自分への気持ちがわからないというわけです。

アジア人は、つまり逆の、精神世界委と文化を選び、大切にしてきました。
別に、アジアに限ったことではありませんが。

長いつきあいや、一つ屋根の下で暮らせば、
言わずとも、相手の気持ちを「察する」ことができるのであって、
その能力を、大切にしてきました。
言わなくてもわかる、かえって言ってしまうと趣がなくなる、
それが日本独特の、文化や精神の基本であるはずです。
日本人は、独特の、風流や趣きまで生み出しました。

驚くほど日本語は、ほんとうに素晴らしい言語なのですが、
さらに、その言葉すら、精神がつながっていけば不要になるわけです。

きっとその能力が、落ちてきた人が、増えているのでしょう。

もしかすると、そういう日本の素晴らしさは、
京都や鎌倉といった、大切に保存されているものを除いて、
本当に残っているのは、沖縄や奄美だけなのかも、知れません。
では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2012年03月30日 09:56


ryusogiさん、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

僕も、自分で調べるだけでなく、
沖縄の色々な方々から、まさに教えてもらって、学んできた事の一つです。

民話や伝説を読んで、実際に沖縄のその場所に行くと、
ほんとうに、学ぶことが多いです。
沖縄は、それが、限りないわけで、回りきれません。

大都会でさえ、その片隅に、配所や聖地が点在し、残されているのですから、
こんな場所は、日本どころか、世界中、ないと思います。
ありがとうございます。では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2012年03月30日 09:29


仲本様、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

僕なりの解説の、限界にすぎません。
もっとももっと、沖縄の言葉には、素適な意味が隠れている気がします。

ただこれも、琉球沖縄の、民話に、耳を傾けてきた、おかげの気がします。

単に、沖縄に通って、
琉球沖縄の、祖先から伝わる、民話に耳を傾けなかったら、
僕の場合、琉球沖縄の、昔からの人々の生活や精神は、
きっとわからなかったと思います。

そして、せいぜい戦争前後から今までの表面的理解で、
終わっていたに違いありません。

目をひらかせてくれたのは、仲本さんを通して、
本当は沖縄に昇る太陽なのかもしれませんね。
いつも感謝です。では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2012年03月30日 09:23


わくがみサン、はいさい、今日(ちゅう)拝(うが)なびら。

個人的な感覚なんですが、
たとえば、横浜のような地方都市と違って、
東京首都圏の場合、
一流の大企業の、本当に上の方々は、
学問もあって知的で、謙虚な方々が少なくありません。

一方で、社会的にはそれなりの肩書きがある人の中に若干、
あるいは、口先はよく回るブランドスーツに身を固めた若者の中に若干、
見た目と本当が、まったく違う人が多いのが、普通です。

でもそれは、あくまで大都会、
つまり、全国からの集まった人間の寄せ集めの首都圏の、いち傾向で、
地方には少なくて、地方には地方の良さがあります。

それに加えて、沖縄には本当に素晴らしい、精神世界があって、
風土にも合っていて、立派な独自の文化があって、
他の地域に決して負けない、素晴らしいものです。

それが大好きなだけに、
沖縄らしいものは、いつまでも残って欲しいと願ってやみません。
コメント、ありがとうございます。

ただいつの世も、社会が成り立っているのは、
しっかりと成り立たせている人間の存在で、捨てたものではありません。
では。
Posted by 横浜のtoshi横浜のtoshi at 2012年03月30日 09:11


いらしていたんですね~

『ナンクルナイサ』は
ホント、沖縄の人間でも
本当の意味わからないと思います

私も恥ずかしながら
沖縄に住んでいながら、沖縄の事あまり知らないです
toshiさんの方が
私より沖縄を知っていて、沖縄の人間に近いんじゃないか?
って思う事あります・・・

いつも勉強になります
Posted by たかりん★たかりん★ at 2012年03月30日 02:00


こんばんは。
あいやー!伝言ゲームのようですねぇ?
10人目で違う意味になってるっていう・・・。

私は、5年前の43歳の時にイギリスの飛行機内で隣合わせた、アメリカご出身男性から、別れ際に言われた”ナイス トゥー ミー トゥ ユー”が社交辞令だという言葉だったという事に初めて気が付きました(--)

「貴方に出逢えて光栄です。」という心のこもった英語は、何て言うのでしょうか?
Posted by 三河の嫁 at 2012年03月29日 20:53


ありがとうございます。とても勉強になりました。
Posted by ryusogi at 2012年03月29日 15:02


横浜のtoshiさん
まさにその通りですね。ナクルナイサだけが独り歩きしていたんですね。

よく解説して下さいました。沖縄の人でもほとんどが知らないんです。
勉強になりました。ありがとうございます。
Posted by 仲本勝男仲本勝男 at 2012年03月29日 10:49


最近『人を見下す傲慢さと、失礼で軽薄な感じ』を一部の若者や中堅企業の中間管理職の方に対して感じる機会が増えました・・・

言葉もそうですが・・・人として正しい道徳観を持って欲しい・・・そう思う今日この頃です。

けど、反面教師にも感謝。。。(*^o^*)/
Posted by わくがみ at 2012年03月29日 10:32


コメント以外の目的が急増し、承認後、受け付ける設定に変更致しました。今しばらくお待ち下さい。

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