てぃーだブログ › 琉球沖縄を学びながら、いろいろ考えていきたいな~ › 新・琉球民話・口碑伝説集 › 烏帽子井の嶽~新・琉球民話・口碑伝説集第20話

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~琉球沖縄に伝わる民話~

新・口碑伝説民話集録
『琉球民話集』より、第20話


烏帽子井(ゆぶしがー)(たき)



 西原間切(にしはらまぎり)我謝村(がじゃそん)に、烏帽子井(ゆぶしがー)があります。
 古波津爾也(こはつにや)が、ある日のこと、天女(てんにょ)水浴(みずあ)びしているのを見ました。天女(てんにょ)飛衣(とびんす)稲束(いなづか)の中に(かく)したため、それから後、天女(てんにょ)と夫婦になりました。
 ある日のこと、子どもが歌う子守唄(こもりうた)から、飛衣(とびんす)のありかを知った天女(てんにょ)は、二人の子どもを両脇(りょうわき)(かか)えて、天高(てんたか)()い上がると、()()っていきました。
 なお、その井泉(せいせん)のそばにある(たき)(まつ)って「烏帽子井(ゆぶしがー)(たき)」と呼ぶようになりました。

 
※注や解説

【烏帽子井】~(ほか)の呼び方には、烏帽子川、ゆぶしがー、えぼしがー、ゆんぶしがー、ゆぶしじゃー、えぼしがわ、(など)がある。
西原間切(にしはらまぎり)】~西原の以前の発音は「にしばる」など。
我謝村(がじゃそん)】~我謝の以前の発音は「がーじゃ」など。
稲束(いなづか)】~()り取った稲を(たば)ねたもの。いなたば。いねたば。
井泉(せいせん)】~琉球沖縄では、井泉(せいせん)(※井戸)のことを「カ-」や「ジャ-」と呼び、川のことを「カ-ラ」といって区別している。当て字として「川」の字が使われることは多いものの井泉(せいせん)をいう場合の(ほとん)どは湧き水のことであり、流れる川のことではない。
※【烏帽子井(ゆぶしがー)(たき)】~西原町字我謝前川、我謝の北西部、運玉森(うんたまむい)(ふもと)標高四十三m前後に位置する拝井泉(うがみがー)。『琉球國由来記』には、我謝の聖地としてヱボシガワノ嶽(※神名、君ガ御水主ガ御水ノ御イベ)とある。また、昔、古波津爾也(こはつにや)という人がその井泉(せいせん)を自分の烏帽子(えぼし)(おお)い、農耕(のうこう)に用いたのに(ちな)んで、その井泉(せいせん)をヱボシガワというようになったとも言われている。そして、この井泉(せいせん)にまつわる天女の羽衣伝説がこれである。なお、かつてこの井泉(せいせん)では、琉球國の最高神女(しんにょ)である聞得大君加那志(ちふぃじんがなし/ちふぃうふじんがなし)によって、毎年二月と三月に祭祀(さいし)が行われたという、今も残る井泉(せいせん)


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