【八重山】(やえやま)古くから八重山では、「やいま/えいま/やーま」などと言い、沖縄では「えーま」と呼んだ。与那国では石垣島を「だーま」と言った。また波照間島では、自分達の島を「しぃむやいま」(下八重山)と言った。基本的には石垣島と離島も全て含んでそう呼んだ。八重山という文字は、後世になって発音に漢字を当てたと考えられるが、決め手となる説はない。近ごろ、石垣、竹富、新城、黒島、小浜、西表、鳩間、波照間の八つの島々からなるので八重山と呼ぶという表記が時々見られるが、落ちている島があるのでこれは明らかに誤り。
【名蔵邑】(なぐらそん)邑=村。石垣間切(いしがきまぎり/石垣の以前の発音は「いしがち」など)名蔵村。
【御託宣】(ごたくせん)神仏が人に乗り移ったり、夢の中に現れて、その意志を告げること。また、そのお告げ。神託。託宣。
【弁ヶ嶽】(べんがだけ)首里城よりも高いところにある御嶽(うたき)。首里城の東、約1kmに弁ヶ嶽(べんがだけ)という小さな山があり、大小二つの御嶽がある。大嶽(うふたき)と小嶽(くたき)。大嶽は久高島(くだかじま)への遥拝所(ようはいしょ)。小嶽は斎場御嶽(せいふぁうたき)への遥拝所(遥拝所とは、直接行かず、遠くから祈願を済ます所の事。斎場御嶽、知念城跡などもこれにあたる)。弁ヶ嶽は標高約165.7m。沖縄島中南部では最も高い峰。昔は航海の目標だった。
【神威】(しんい)神の威光。神の威力。
【思度嵩】(おもとだけ)「於茂登岳」(おもとだけ)のこと。八重山諸島は石垣島のオモト岳(526m)。
【高慢無礼】(こうまんぶれい)高慢とは、自分の容姿容貌(ようしようぼう)や才能などが、人より勝(まさ)って優(すぐ)れていると思い上がり、人を見下(みくだ)すこと。また、そのさま。
【尺】(しゃく) 尺貫法(しゃっかんほう)の長さの基本単位。曲尺(かねじゃく)では約30.3cm、鯨尺(くじらじゃく)では約37.9cm。
【荘厳】(そうごん)重々しく厳(おごそ)かなこと。厳かで立派なこと。また、そのさま。しょうげん、とも。
【糠】(ぬか)玄米などを精白する際、果皮や種皮などが破けて、粉になったもの。こめぬか。
【半死】(はんし)古くは「はんじ」とも。 死にそうになっていること。
【名蔵拝所】(なぐらうがんじゅ)名蔵拝所は、沖縄県石垣市石垣島にある拝所(うがんじゅ)。神名は照添照明し神。四座の御イベ名は大本主(おもとあるじ)、東花手吉花(あがりはなてよしはな)、中大木中垂伊(なかおもとなかたらい)、袖垂大主(そでたれおおあるじ)。
【名蔵御嶽】於茂登岳を、イビとして祀(まつ)っていると伝わる御嶽。
【御嶽】御嶽は、琉球の信仰の宗教施設。「腰当森(くさてむい)」、「拝み山」などともいう。琉球王国(第二尚氏王朝)が制定した琉球の信仰における聖域の総称。それ以前は様々な呼び名が各地方にあった。「うたき」という呼び名は、主に沖縄本島とその周辺の島々で発音。本来、宮古地方では「すく」、八重山地方では「おん」と発声した。近年は「うたき」という言い方が傾倒する傾向が強い。
※次回、琉球民話より『球陽外巻・遺老説伝』が最終回となります。