七掘畑 ~琉球沖縄の伝説
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~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~
奄美・沖縄本島・沖縄先島の伝説より、第179話。
七掘畑
琉球沖縄の七与平利畠という話が有名ですが、こんな話も伝わっています。
むかし昔のこと、大変な孝行者がいて、親と一緒に寝ている時に、蚊に刺されても、自分が追い払えばきっと親の所に行ってしまってそれでは申し訳ないと、じっと我慢しているような子どもだったそうです。
大変に貧乏な生活だったため、親は遂に祖先から代々譲り受けてきたの畑を、ある時、売ってしまいました。するとこの子どもは、畑を売った先に働きに出て、それはそれは朝から晩まで懸命に働き、やっと畑を取り返すことができました。しかし家が貧乏なのは変わらず、二度三度と、親は畑を繰り返し、手放してしまうのでした。そしてその都度、子どもは畑を取り戻し、それが何度も続きました。
祖先から代々伝わってきた大切な土地であり、また子孫に残していくべき畑だと考えていた子は、このままではいけないと決心し、涙ながらに子どもは親に畑を売ってはいけないと説得しました。それからその畑が売られることはありませんでした。
畑は調度、七度奉公に出て七度取り返したので、七掘畑と呼ばれるようになり、この畑を売ろうとすると幽霊が出るそうな。
※この話の参考とした話
①沖縄本島・沖縄県中頭郡読谷村字伊良皆~『伊良皆の民話』読谷村民話資料1
②沖縄本島・沖縄県中頭郡読谷村瀬名波~『瀬名波の民話』読谷村民話資料4
③沖縄本島・沖縄県中頭郡読谷村儀間~『儀間の民話』読谷村民話資料5
④沖縄本島・沖縄県中頭郡読谷村宇座~『宇座の民話』読谷村民話資料6
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●伝承地
①沖縄本島・沖縄県中頭郡読谷村字伊良皆~昔、親が貧乏者だったので、祖先から譲り受けた畑を売ってしまった。また、この人の子どもが、この畑を売ったところを働いて、儲けてまた取り返した。一度取り返したが、また、家が貧乏なので、二度目も親が売ってしまった。それでまた祖先からの遺言もあって、この子どもが取り返した。子供は、「これは、こうではいけない」と思った。ちょうど、七度取り返したので、これが七掘畑と名付けられたそうだ。(『伊良皆の民話』読谷村民話資料1)
②沖縄本島・沖縄県中頭郡読谷村瀬名波~家が貧しいために、七度も下男に出された若者がいた。その若者が、奉公先の主人から貰った畑が、七掘畑である。(『瀬名波の民話』読谷村民話資料4)
③沖縄本島・沖縄県中頭郡読谷村儀間~七回売られたにもかかわらず若者は親孝行であった。親と一緒に寝ている時など、蚊に刺されても、自分が追い払うと親の所に行くからと言ってじっと我慢していた。(『儀間の民話』読谷村民話資料5)
④沖縄本島・沖縄県中頭郡読谷村宇座~七掘畑は幽霊が出るといわれていた。(『宇座の民話』読谷村民話資料6)
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