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~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~
~琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話~
奄美・沖縄本島・沖縄先島の伝説より、第45話。
雨の神と龍宮の神
むかし
ある一人の
するとそこへ
すると、天の神が見えなくなる
さて
それから
すると漁師は、
そして龍宮の神を
ところがその頃、雨の神が天から
雨の神と龍宮の神はそれから話し合い、
雨が降ってからというもの、
漁師は、神たちの
すると龍宮の神が
漁師は
二、三年が
たとえ
※この話の参考とした話
①沖縄先島・沖縄県宮古郡伊良部町佐和田~『伊良部郷土誌』
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●伝承地
①沖縄先島・沖縄県宮古郡伊良部町佐和田~伊良部元島が旱魃に悩まされていたとき、一人の漁師が或る晩、漁に行ったが潮時が合わないので、干潮になるのを待って坐っていると、そこへ雨の神様が天から下りて来て、龍宮の神様を呼び、人々が旱魃で困っているようだから、雨をあげよと命じた。ところが暫く立ってから雨が降った。雨の神様は雨の量が少ないので、あとひと雨降らせよと命じて天へ昇った。神様が見えなくなる頃、大雨を降らしたという。浜でその話を聞いていた漁師は、雨は天から自然に降るものと思っていたのであるが、龍宮の神様があげなければ降らないのだということを悟った。
その後幾年か立って、またも旱魃となったので村中の人々が心配していると、一人の漁師が、自分に欲しい物をやったら、雨を降らすことがでぎると、いかにも自信ありげに申し出たので、村の人々は申し合わせ、漁師の希望を叶えてあげた。漁師は、この前聞いた場所へ行って、龍宮の神様を呼び雨をあげよと命じたら、暫くして大雨が降ったので、村人達は大変悦び、漁師に感謝していた。
雨の神様は天から下りて来て、龍宮の神を呼びつけて、だれの言い付けで雨を上げたのかといって怒ったので、龍宮の神は、自分に命じたのは雨の神様でなかったということを知り、あなたの命令と思ったことは、本当に済まなかったと詫び、一体だれの仕業でしただろうかといって、当分雨を降らさないことにした。ところが、また、日照りが長続きしたので、村人たちは漁師にお願いした。漁師は、神様たちのこうした計らいを全く知らず、村人達の頼みを聞き、この前と同様浜に行って龍宮の神様を呼んだ。龍宮の神様は、私を騙したのはこの奴だといって追っ駈けた。漁師は吃驚して逃げてフツムトの森へはいった。幸に女の神様がいたので助けを求めると神様が隠してくれたという。暫く立って、龍宮の神様がそこへ現われて、こちらへ人間が来た筈だ、出せと言うと、女神は北の方へ行ったと答えたので、元島まで探し廻ったのであるが、それらしい者は見付からず、仕方なく、その元島へ悪い病気を流行(はや)らせたので、この島の人々は病魔に苦るしめられた。二、三年立ってから、元島附近で逃げ隠れた男が歌をうたいながら苧麻を刈っていたら、龍宮の神様はその声を聞き、この奴は森に逃げた男に違いないと言って、これを生けどりにしたという
①沖縄先島・沖縄県宮古郡伊良部町佐和田~伊良部元島が旱魃に悩まされていたとき、一人の漁師が或る晩、漁に行ったが潮時が合わないので、干潮になるのを待って坐っていると、そこへ雨の神様が天から下りて来て、龍宮の神様を呼び、人々が旱魃で困っているようだから、雨をあげよと命じた。ところが暫く立ってから雨が降った。雨の神様は雨の量が少ないので、あとひと雨降らせよと命じて天へ昇った。神様が見えなくなる頃、大雨を降らしたという。浜でその話を聞いていた漁師は、雨は天から自然に降るものと思っていたのであるが、龍宮の神様があげなければ降らないのだということを悟った。
その後幾年か立って、またも旱魃となったので村中の人々が心配していると、一人の漁師が、自分に欲しい物をやったら、雨を降らすことがでぎると、いかにも自信ありげに申し出たので、村の人々は申し合わせ、漁師の希望を叶えてあげた。漁師は、この前聞いた場所へ行って、龍宮の神様を呼び雨をあげよと命じたら、暫くして大雨が降ったので、村人達は大変悦び、漁師に感謝していた。
雨の神様は天から下りて来て、龍宮の神を呼びつけて、だれの言い付けで雨を上げたのかといって怒ったので、龍宮の神は、自分に命じたのは雨の神様でなかったということを知り、あなたの命令と思ったことは、本当に済まなかったと詫び、一体だれの仕業でしただろうかといって、当分雨を降らさないことにした。ところが、また、日照りが長続きしたので、村人たちは漁師にお願いした。漁師は、神様たちのこうした計らいを全く知らず、村人達の頼みを聞き、この前と同様浜に行って龍宮の神様を呼んだ。龍宮の神様は、私を騙したのはこの奴だといって追っ駈けた。漁師は吃驚して逃げてフツムトの森へはいった。幸に女の神様がいたので助けを求めると神様が隠してくれたという。暫く立って、龍宮の神様がそこへ現われて、こちらへ人間が来た筈だ、出せと言うと、女神は北の方へ行ったと答えたので、元島まで探し廻ったのであるが、それらしい者は見付からず、仕方なく、その元島へ悪い病気を流行(はや)らせたので、この島の人々は病魔に苦るしめられた。二、三年立ってから、元島附近で逃げ隠れた男が歌をうたいながら苧麻を刈っていたら、龍宮の神様はその声を聞き、この奴は森に逃げた男に違いないと言って、これを生けどりにしたという
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