御願崎の石上げ ~琉球沖縄の伝説

2010年10月17日

Posted by 横浜のトシ(爲井) at 20:20│Comments(0)琉球沖縄の伝説・沖縄先島編

みんなで楽しもう!
〜琉球沖縄の、先祖から伝わってきたお話〜

奄美・沖縄本島・沖縄先島の伝説より、第5話。


御願崎(うがんざき)石上(いしあ)



 むかし(むかし)の、八重山(やえやま)石垣島(いしがきじま)屋良部(やらぶ)(だけ)御願崎(うがんざき)(いし)についての、お(はなし)です。
 ある(とき)に、於茂登山(おもとやま)(かみ)中心(ちゅうしん)になって、八重山(やえやま)島々(しまじま)(かみ)(あつ)まりました。そして、御願崎(うがんざき)(いし)を、(うみ)(なか)から()げたそうです。
 (いし)を、みんなで()げた(とき)竹富島(たけとみじま)(かみ)と、小浜島(こはまじま)(かみ)が、時間(じかん)(おく)れました。
 なぜ(おく)れたのか、そのわけを(はな)しなさいと、()われました。
 すると、竹富島(たけとみじま)(かみ)は、こう(こた)ました。「竹富島(たけとみじま)でお(さん)がありまして、それが()わってから()たので、(おく)れてしまいました。(もう)(わけ)ありません。」と。
 小浜島(こはまじま)(かみ)は、こう(こた)えました。「(うみ)からの漂流物(ひょうりゅうぶつ)がありまして、それを始末(しまつ)していたので、(おく)れてしまいました。(もう)(わけ)ありません。」と。
 それを()いた於茂登山(おもとやま)(かみ)は、()いました。「そういうことなら、仕方(しかた)あるまい。(たし)かに、竹富島(たけとみじま)繁栄(はんえい)(しま)だから、これからは、シラをうんと丈夫(じょうぶ)にしなさい。それから小浜島(こはまじま)では、()せてくる漂流物(ひょうりゅうぶつ)(むら)(はこ)んで始末(しまつ)しなさい。」と。
 そんなお(ゆる)しが()てからというもの、小浜島(こはまじま)では、(なが)れついた()(ひろ)って使(つか)っても、(なに)()こらなくなりました。またそれまで(しん)じられてきた、(うみ)(たた)りもなくなったそうです。
 また竹富島(たけとみじま)では、()どもが()まれて十日間(とおかかん)は、シラを()ごすために、御獄(うたき)()かないようになりました。そして、()まれた(あか)(ぼう)()()くまでの十日間(とおかかん)は、シラ()ごしをするものだという()(つた)えとなって、(むかし)から習慣(しゅうかん)になったのだそうな。

 
※この話の参考とした話
沖縄県八重山郡竹富町竹富島~『竹富島・小浜島の昔話』


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●伝承地
①沖縄先島・沖縄県八重山郡竹富町竹富島~ええ、ヤラブの御願崎の石を上げた話だが、於茂登山の神が中心になって、八重山の島々の神が集まり、御願崎の石を(海から)上げたという話だが、それを上げるときに、竹富島の神と、小浜島の神は時間に遅れてしまったそうな。「なぜ遅れたのか、その理由を話しなさい」。「竹富島にはお産があって、お産を(済ま)して来ようと、(待って)いたので遅れた」。小浜島は、小浜の神は、「漂流物があって、海から漂流して来たので、それを始末しようとして遅れた」と答えたので、「そんなら良いだろう。竹富島はそんなら、繁栄の島だから、シラはうんと丈夫にしなさい。小浜島は、寄ってくる、漂流物を、村へ運んで、始末してもよい」と、お許しが出たので、小浜島は漂流して来た木を使っても、漂流物を拾っても何事もないそうな。海の崇りもないそうな。竹富島では、また、(子供が生まれて)十日間は、シラを過ごすために、御獄にも行かない。(赤ちゃんが)たいそう正常になるまで、十日間はシラ過ごしをするんだ、という昔話がありますよ。(『竹富島・小浜島の昔話』)


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